iPhoneで図面を閲覧・作成するためのアプリとその限界

2024.08.29

iPhoneを始めとするスマホは今や当たり前に使われています。電車の中ではみんなスマホを見ています。そして、ビジネスでも多く使われています。また、図面を閲覧・作成するアプリも登場しています。

ここでは、iphoneで使える図面閲覧のアプリのいくつかを紹介し、機械図面を扱う際のメリットとデメリットについて解説し、最後にiphoneで使える機械図面向けのCADアプリについて紹介しました。

iPhoneで図面を閲覧・作成するためのアプリ

iPhoneで図面を閲覧・作成するためのアプリには、さまざまな選択肢があります。以下にいくつかアプリを紹介します。

AutoCAD Mobile

機能: AutoCADのモバイル版で、図面の作成、編集、共有が可能です。DWGファイルに対応しており、レイヤーの操作やコメントの追加など、基本的なCAD機能を提供します。

用途: プロフェッショナルなCADユーザーに最適。

Shapr3D

機能: 3Dモデリングに特化したアプリで、Apple Pencilを使って直感的にモデリングができます。2D図面の作成もサポートしています。

用途: デザインやプロダクト開発を行う方におすすめ。

MagicPlan

機能: 写真やレーザー距離計を使用して、間取り図やフロアプランを作成できます。計測したデータをもとに図面が自動生成されます。

用途: 建築やインテリアデザインに関わる方に適しています。

SketchUp Viewer

機能: SketchUpで作成した3DモデルをiPhoneで閲覧できるアプリです。モデルの回転、ズーム、パンなどが可能です。

用途: 3Dデザインをクライアントに見せたいときに便利です。

Planner 5D

機能: インテリアデザインや住宅のフロアプランを3Dで作成・編集できるアプリ。家具の配置や色の変更も簡単に行えます。

用途: 家のデザインやリノベーションプランの作成に最適。

これらのアプリは、それぞれの用途に応じて選ぶと効果的に使用できます。業務内容やプロジェクトの種類に応じて、最適なものを選んでみてください。

本格的な図面の編集というよりは、ビューワー的な感じで使うのがいい

ビューワーとして使用する場合、操作がシンプルで軽快なアプリが便利です。例えば、「AutoCAD Mobile」や「SketchUp Viewer」は、図面や3Dモデルを閲覧するのに最適です。これらのアプリは、図面の確認やコメント追加ができるため、外出先での確認作業などにも便利です。

簡単に図面を閲覧したり、クライアントに見せるだけなら、これらのビューワーアプリが使いやすいでしょう。必要に応じて編集が可能なアプリを選んで、普段はビューワーとして活用するのも一つの方法です。ただし、iphoneで動作するフリーのCADアプリは多くの場合、建築・DIY向けで、機械図面にはあまり向いていません。

機械設計にはやはり機械設計用のCADシステムを使うのが良い

やはり、機械設計には専用のCADシステムを使うのが最適です。機械設計用のCADシステムは、精密な部品設計やアセンブリ、シミュレーションなど、特定の要件に対応するために設計されています。

これらのツールは、機械設計に必要な精度と機能を提供します。DIYや建築用のアプリとは異なり、機械設計にはこれらの専用ツールを使うことで、より効率的かつ精密な設計が可能になります。

機械図面をiPhoneで扱う場合のメリットは

iPhoneで機械図面を扱う場合、以下のようなメリットがあります。

携帯性とアクセスの便利さ

iPhoneは常に持ち歩けるため、外出先や現場で素早く図面にアクセスできます。これにより、作業中や会議中でも、手元で図面を確認できる利便性が高まります。

リアルタイムでの情報共有

クラウドサービスを利用することで、設計チームやクライアントと図面をリアルタイムで共有できます。変更点やコメントをすぐに反映し、チーム間のコミュニケーションを円滑にします。

簡単な確認作業

ちょっとした寸法確認や全体レイアウトの確認など、簡単なチェック作業をiPhoneで行えるため、PCや大型のタブレットを取り出す手間が省けます。

プレゼンテーションでの活用

クライアントやチームメンバーに設計内容を簡単に見せられるため、プレゼンテーションの場でも便利です。iPhoneを使って図面をズームイン・ズームアウトしながら説明することで、視覚的な理解が深まります。

軽量かつ直感的な操作

タッチ操作で簡単に図面を操作できるため、直感的に使えます。iPhoneの高解像度ディスプレイも、細かな図面のディテールを確認するのに役立ちます。

現場での利用

現場で作業員が図面を確認する際に、iPhoneを利用することで、紙の図面やPCを持ち運ぶ必要がなくなり、効率的に作業が進められます。

これらのメリットにより、iPhoneで機械図面を扱うことは、特に外出先や現場での効率的な作業やコミュニケーションに大きく貢献します。ただし、フル機能の編集にはPCや専用のCADシステムが依然として必要です。

機械図面をiphoneで扱う場合のデメリット

iPhoneで機械図面を扱う際には、いくつかのデメリットも存在します。以下に主なデメリットを挙げます。

画面サイズの制約

iPhoneの画面はPCやタブレットに比べて小さく、詳細な図面を確認するのが難しい場合があります。特に複雑なアセンブリや細部のチェックでは、拡大・縮小の操作が煩雑になることがあります。

機能の制限

iPhone用のCADアプリは、フル機能のデスクトップ版に比べて機能が制限されることが多いです。高度な編集やシミュレーション、複雑な設計作業には対応できない場合があり、あくまでビューワーとしての利用に限られます。

操作性の限界

タッチスクリーンでの操作は直感的で便利な反面、精密な操作が必要な場合や、細かい部分を編集する際には不便です。特にドラッグや選択操作が繊細な作業には不向きです。

バッテリー寿命の問題

長時間の図面閲覧や使用は、iPhoneのバッテリーを消耗させるため、電源確保が必要になります。特に外出先や現場での利用が長時間に及ぶ場合、バッテリーが切れるリスクがあります。

パフォーマンスの限界

iPhoneのハードウェアは、PCやワークステーションほど強力ではありません。特に大規模な図面や3Dモデルの表示では、パフォーマンスに限界があり、動作が遅くなることがあります。

ファイル形式の制約

一部のCADファイル形式がiPhone上で正確に表示されない場合があります。また、特定のファイル形式や大容量ファイルを扱う際に、互換性の問題が生じることがあります。

外部デバイスとの接続

USBデバイスや外部ストレージを直接接続して図面を開くのは、iPhoneでは制限があるため、クラウドストレージを介する必要があります。これが不便に感じられることがあります。

これらのデメリットから、iPhoneはあくまで「補助的なデバイス」として使うのが現実的です。フル機能を必要とする本格的な設計作業や詳細なレビューは、PCや専用のCADシステムを使用するのがベストです。

もっとも、iPhoneを使ったプレゼンは、手軽で効率的にコミュニケーションを取る手段として非常に効果的です。

機械図面を扱える補助的なiphone対応のCADアプリ

iPhoneで機械図面を補助的に扱えるCADアプリにはいくつかの選択肢があります。これらのアプリは、主に図面の閲覧や軽い編集作業に適していますが、フル機能のデスクトップ版には及びません。以下にいくつかの例を挙げます。

AutoCAD Mobile

概要: AutoCADのモバイル版で、2Dおよび軽い3D図面の閲覧、編集、共有が可能です。DWGファイル形式をサポートしており、外出先でも図面にアクセスできます。

機能: レイヤー操作、寸法の確認、注釈の追加、基本的な編集作業。

Shapr3D

概要: 3Dモデリングに特化したアプリで、Apple Pencilを使って直感的にモデリングが可能です。機械設計よりはプロダクトデザインや建築設計に適していますが、簡単な機械図面の確認にも使用できます。

機能: 3Dモデリング、スケッチの作成、寸法調整、インポート/エクスポート機能。

Fusion 360 for iPhone

概要: Fusion 360のモバイル版で、デスクトップで作成した3Dモデルや図面を閲覧できます。設計の確認やコメントの追加が可能です。

機能: 3Dモデルの回転、ズーム、注釈の追加、軽微な編集。

Onshape

概要: クラウドベースの3D CADソフトウェアで、iPhoneでも3Dモデルや2D図面の閲覧、編集が可能です。デスクトップ版との互換性が高く、リアルタイムでのコラボレーションができます。

機能: 3Dモデリング、図面の閲覧、軽い編集、リアルタイムコラボレーション。

DWG FastView

概要: AutoCADのDWGファイルを迅速に開いて閲覧できる軽量なアプリです。基本的な編集作業や注釈の追加が可能で、複数の図面フォーマットに対応しています。

機能: 図面の閲覧、寸法の確認、注釈追加、軽い編集。

これらのアプリは、iPhoneを使って外出先や現場で機械図面を確認したり、簡単な修正を行う際に便利です。特に、AutoCAD MobileやOnshapeは、プロフェッショナルな環境でよく使われるため、機械設計の補助ツールとして役立つでしょう。

(まとめ)iPhone用の図面アプリはあくまでも補助ツールとして使うのがベスト

以上、iPhone用の機械図面向けCADアプリを見てきました。

iPhone用のCADアプリは、機械図面を扱う際の補助ツールとして非常に便利ですが、フル機能の設計作業や詳細な編集には向いていません。これらのアプリは主に次のようなシーンで役立ちます

・図面の迅速な確認: 外出先や現場での急な確認作業に適しています。

・簡単なプレゼンテーション: クライアントやチームメンバーに設計内容を素早く見せる際に便利です。

・リアルタイムのコミュニケーション: コメントや軽微な修正をその場で行い、チームとの連携をスムーズにします。

しかし、複雑な設計作業や詳細な編集が必要な場合は、デスクトップPCや専用のCADシステムを使用することが推奨されます。iPhoneアプリはあくまで補助的な役割で、主要な設計業務はPCで行うのがベストです。つまり、iphoneだけで機械設計が完結するものではないのです。

この限界を踏まえつつ活用していけば、iphoneは素晴らしいコミュニケーションツールとして役立つでしょう。

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