【2026年】図面はAIで作成できる?Claude Codeで作図自動化の未来が見えた
2026.04.22

本記事では、エージェント型AI「Claude Code」を使って、実際に図面作成を試してみました。AIによる図面作成の現状と課題について検証しています。
この記事を読むことで、2026年現在の生成AIはどこまで図面が作成できるのかが明らかになります。
2024年にも同じテーマで、ChatGPTとClaudeで図面作成を試したのですが、当時のAIでは「実用的な図面作成はまだ難しい」と結論付けました。
では、2026年現在のAIではどこまで図面作成ができるのでしょうか?
結論から言うと、「DXFを生成するプログラムをAIが作成することで、簡単な図面作成は可能」になりました。
「最近話題の生成AIで、図面の作成はできるのだろうか…」と考えている設計会社の社長さんや機械設計者、CADオペレーターなど、図面に関わる方にとって興味深い記事になると思います。ぜひ、最後まで読んでみてください。
目次
エージェント型AIの登場により、図面をAIで作成する未来が見えた

エージェント型AIとは、受けた指示を達成するために自律的に考え、パソコンやWeb上のツールを使い、最後までタスクを実行するAIです。
ファイルの読み書き、Web検索、会計ソフトの操作、プログラムのコーディング・実行などを組み合わせ、複数工程の作業を一気通貫でこなします。
例えば「このフォルダに入っている文章の誤字・脱字を全てチェックし、指摘した内容をエクセルにまとめて」と指示すれば、パソコン内の文章を読み、表を作り、保存まで自動で行います。
従来のChatGPTやClaudeのようなチャット型AIでは、パソコン内のファイルは直接操作できません。生成AIはエージェント型AIの登場を経て、大きく進化しました。
検証に使用したAI:Claude Code
今回はエージェント型の代表的なAI「Claude Code」で検証しました。モデルは2026年4月時点の最新モデル:Opus 4.7を使いました。
ちなみに、Claude Codeは無料で使うことはできません。Proプラン(月額20ドル)以上の月額制または年額制の課金が必要になります1。
検証①:フランジ図面の類似図面作成
まず、下図に示す「フランジA」の図面をもとに、寸法や穴位置を変更した図面を生成するようにAIに指示してみます。
この検証は2024年の記事で行った方法と同じです。
フランジAは以下のような円盤状の部品です。
・外形:Φ150mm
・内径:Φ100mm
・厚み:15mm
・穴:Φ6.6の穴が4つ、90°等分配置

この検証により、AIが図面の具体的なパラメータをどの程度理解し、指示通りに図面を生成できるかを評価します。
Claude Codeに以下のような指示を送りました。
プロンプト:
あなたは図面作成のプロフェッショナルです。次の図面を注意深く読み、類似の図面を10枚生成してください。なお、次の条件を守ってください。
<conditions>
-出力形式はPDF形式とすること。
-図面のフォーマット(図枠情報、名称、製図、検図、承認、図番の欄)は添付の図面ファイルと同じものを使うこと。
-外形はΦ100~Φ200の間で出力すること。
-内径の大きさはΦ50~Φ150で出力すること。内径の大きさは外形より大きくなってはいけない。
-厚みは10~20の間で出力すること。
-穴の大きさはΦ3~Φ10の間で出力すること。
-穴の配置は2個~8個の間で出力すること。
</conditions>
(フランジAの図面PDFを添付)
回答:
PDFの内容を確認しました。フランジ図面で、外形Φ150、内径Φ100、厚み15、4×Φ6.6の穴という構成です。10枚の類似図面を生成するPythonスクリプトを作成します。
…
matplotlibで10枚のPDF図面を生成するスクリプトを作成します。
…
10枚の生成に成功しました。出力ファイルを確認して、PDFを1枚開いて内容を検証します。
…
10枚のフランジ図面PDFを正常に生成しました。
生成された図面一覧(保存先: ***/ClaudeCodeで図面作成/)
| # | 図番 | 名称 | 外径 | 内径 | 厚み | 穴 | PCD | 材質 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 | BC2026-00001 | フランジB | Φ120 | Φ60 | 12 | 4×Φ5 | 90 | SS400 |
| 2 | BC2026-00002 | フランジC | Φ150 | Φ80 | 15 | 6×Φ6 | 115 | SS400 |
| 3 | BC2026-00003 | フランジD | Φ180 | Φ120 | 18 | 8×Φ8 | 150 | S45C |
| 4 | BC2026-00004 | フランジE | Φ100 | Φ50 | 10 | 2×Φ4 | 75 | SS400 |
| 5 | BC2026-00005 | フランジF | Φ160 | Φ100 | 14 | 4×Φ7 | 130 | SUS304 |
| 6 | BC2026-00006 | フランジG | Φ200 | Φ140 | 20 | 8×Φ10 | 170 | S45C |
| 7 | BC2026-00007 | フランジH | Φ130 | Φ70 | 11 | 3×Φ5 | 100 | SS400 |
| 8 | BC2026-00008 | フランジI | Φ170 | Φ110 | 16 | 6×Φ8 | 140 | SUS304 |
| 9 | BC2026-00009 | フランジJ | Φ140 | Φ90 | 13 | 5×Φ6 | 115 | SS400 |
| 10 | BC2026-00010 | フランジK | Φ190 | Φ130 | 17 | 7×Φ9 | 160 | S45C |
全ての条件(外径Φ100〜200、内径Φ50〜150、厚み10〜20、穴径Φ3〜10、穴数2〜8個)を満たしています。サンプルと同じA3横フォーマット(図枠・名称・製図/検図/承認欄・図番欄)を使用しています。
2024年のChatGPTやClaudeではできなかった類似図面の作成が、いともあっさりとできました!


図面を確認すると、外形、内径、穴、厚みを認識し、それぞれの寸法が変更できています。
また、図枠も一部文字のはみ出しなど不備はあるものの、入力したPDFのフォーマットを極力守っています。
検証②:フランジ図面を自然言語からDXF作成
PDFで図面を出力すると、作成した図面の寸法が正しいかどうかは判定が難しいです。
そこで、2次元CADの汎用的なフォーマットであるDXFで作図してもらうことにしました。
事前にClaude CodeにDXFに図面を描く方法を聞いたところ、Pythonのezdxfライブラリ(DXF上に直線や円などの図形を描くプログラム)を実行することで実現可能なことがわかりました。
そこで、次のようなプロンプトで指示しました。
プロンプト:
次の形状をDXFファイルで出力してください。
方法はPythonのezdxfライブラリでDXFファイルを生成で良いですが、より良い方法があれば計画してください。
・形状(数字の単位はmm)
・外形Φ150、内径Φ100、厚み15の円筒形状(フランジ)
・Φ6.6の通し穴がP.C.D. 125、90度等分配置で4つ空いている(ボルト通し穴用)
すると、実行する前に方針の確認を求めてきました。
回答:
方針の確認をさせてください。DXFは2D図面用途が主ですが、3D形状も表現できます。主な選択肢は以下の3つです。
1.ezdxfで2D DXF(正面図+側面図) — 機械加工業者向けの標準形式。図面バンクのような用途ならこれが最適。
2.ezdxfで3Dメッシュ DXF — 円筒・穴を3Dメッシュで表現。CAM向けだが精度が限定的。
3.build123d/CadQuery → STEP(推奨)+ DXF併用 — STEPで正確なソリッドモデル、DXFは2D投影。3Dモデルが必要ならこれが最良。
機械設計者の実用途としては1の「2D DXF(正面図+側面図)」が最も一般的です。どれで進めますか?
1.のezdxfでお願いします、と入力したところ、以下の回答とともにDXFファイルを作図してくれました。
回答:
DXFファイルを生成しました。
出力ファイル: Flange_A_Φ150xΦ100xt15.dxf (78KB)
含まれる要素:
– 側面図(左) — 厚み15の長方形、内径Φ100とボルト穴は隠れ線
– 正面図(右) — 外径Φ150 / 内径Φ100 / PCD125の円、Φ6.6の穴×4(90°等分)
– レイヤー構成 — OUTLINE(外形線)、HIDDEN(隠れ線)、CENTER(中心線・一点鎖線)、DIMENSION(寸法)、TEXT
– 寸法記入 — 厚み15、Φ150、Φ100、P.C.D.125、4×Φ6.6
– 単位系 — mm($INSUNITS=4)、DXF形式はAutoCAD 2013互換(R2013)
AutoCAD / DraftSight / Fusion360 / LibreCAD などで開けます。
このDXFファイルをCADで開くと、以下のようにフランジAの図面が作成されていました!

CAD上で測定したところ、寸法も正しかったです。
レイヤー(画層)も外形線や隠れ線、図枠など線種に応じて作成できていました。
また、特に指示していないのに、簡易的な図枠まで描かれています。同じセッションでPDFの図面を入力したので、その図枠に近くなるようにAIが出力したものと思われます。
検証結果:Claude Codeで簡単な図面はAIで作成できた
Claude Codeを使って自然言語で形状を指示したら、図面をDXFファイルで出力できることが分かりました。日本語で指示したフランジの形状や寸法は、CAD上で正しく描画できていました。
2024年にChatGPTで図面を作成させたときは、破綻した形状を生成する等すぐに限界が見えましたが、今回のClaude Codeは「将来は製図も自動化できるかもしれない」という可能性を感じました。

とはいえ、図面作成は外形線や中心線、隠れ線だけではありません。
・寸法線は漏れなく入れられるか
・寸法公差や幾何公差、表面粗さといった機械製図の記号が作図できるか
などの要素が機械製図には求められます。このあたりは、今後試してみたいと思います。
まとめ
今回は、エージェント型AIの代表格である「Claude Code(Opus 4.7)」を使い、図面をAIでどこまで作成できるかを検証しました。
今回の検証で明らかになったのは、2026年4月時点では、生成AIの活用によって「簡単な図面であればAIで作成可能」になっていることです。2024年当時は「実用的な図面作成はまだ難しい」と結論づけていましたが、わずか2年で大きな進化を遂げました。
中小企業の経営者や設計会社の皆様にとって、このAIの進化は業務効率化の大きなチャンスといえるでしょう。将来的には、次のような設計手法が当たり前になっているかもしれません。
・類似図面や寸法バリエーションの作図はAIに任せ、設計者はより創造的な業務に集中できる
・自然言語指示からDXF/CADデータを生成し、作図時間を短縮する
・図面チェックや規格適合の確認をAIがサポートし、品質向上につなげられる
AIの進化スピードは凄まじく、「まだ早い」と様子見しているうちに、他社との差が広がる時代に突入しています。経営者・管理者としては、AIによる業務効率化のトレンドをキャッチアップし、自社業務にどう活かせるかを検討し続ける姿勢が、今後の競争力を大きく左右するはずです。
図面バンクでは、今後も図面やAI活用に関する情報を継続的に発信してまいります。製造業におけるAI活用のヒントとして、ぜひ参考にしていただければ幸いです。


