図面の記号で「↓」は何?現役設計者が「穴深さ」の記号を解説!
2026.08.29

図面の記号の中で「↓」のような表記は何?と疑問に思ったことはないでしょうか?
本記事では、10年以上の経験を持つ現役の機械設計者が、図面の記号「↓」の意味をわかりやすく解説します。
結論、この記号は正しくは「↧」(穴深さ記号)で、「穴の深さ」を表します。
記事では穴深さ記号の具体的な使い方や、図面で「↧」が採用された経緯を説明します。
「最近製造業に転職してきたから、図面の読み方に慣れていない」「図面を読むのが久しぶりで、最近の製図規定の動向を追っていない」こんな方におすすめの記事です。
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「↓」のような図面の記号は「穴深さ(↧)」を表す

「↓」のような記号は下矢印ではなく、「↧」(穴深さ)を意味する記号です。ドリルやリーマなどで開けた穴や、ざぐり穴の深さを指定する時に使います。
上図のように、φ8(直径8mm)の穴を、穴深さ15mmあけたい時は「φ8↧15」と指示します。
穴の深さは、ドリルの先端円すい部は含まず、円筒部の深さを示します。
ざぐりの穴深さ記号の例

ざぐり(座ぐり)とは、ボルトやネジの頭部が収まるように、穴の入口を段付きで広げた穴加工のことです。
ざぐりは決まった深さで掘られるため、基本的には穴深さを穴深さ記号で指示します。
上図の例だと、φ14(直径14mm)のざぐり穴を8.5mmの深さで開ける、という指示になります。
指示の場所は穴の断面(上図:左)でも、穴を上から見た図(上図:右)でもかまいません。
ちなみに、「9キリ」のキリとは「φ9のドリルで穴を開ける」という穴加工の指示です。

JIS B 0001では、ざぐりの反対側の面から寸法を規制する必要がある場合は、その寸法を指示する書き方も認められています1。この場合、ざぐりの穴深さ記号は必要ありません。
上図のように、板厚が20、φ9の穴の寸法が11.5なら、φ14のざぐりの深さは8.5mmとなります。
穴深さ記号「↧」はJIS B 0001 2010年の改正で追加された

JISの機械製図の規定「JIS B 0001」は2010年に改正され、この時に穴深さの表記が変更になりました。
新表記では穴深さは「↧15」と書きますが、旧表記では穴深さを「深サ15」と書いていました。
旧表記の図面は文字通り穴深さであることが読めばわかりますが、現行表記は記号1つで穴深さを表せるのでシンプルですね。
JISの最新規格をチェックしよう
ちなみに、JIS B 0001の現在(2026年6月)の最新改正年は2019年です。大きなルールの改正が起きにくい機械製図の規格ですが、CADの普及など変わりゆく設計事情を考慮して改正が入っています。
JIS規格は、ユーザー登録をすればインターネット上から簡単に見ることができます。以下の記事で、JIS規格を無料で閲覧する方法を解説しました。
この機会に、ぜひ最新の製図規格をチェックしてみてください!
まとめ:JIS製図規格に準拠した穴深さの記号「↧」を使おう!
今回は、図面の穴深さ記号の表記を解説しました。
図面に書いてある「↓」のような記号は、穴深さ記号「↧」のことです。穴の直径が9mm(φ9)なら、9mmの穴が続く円筒部の深さを表します。
もともとは穴深さは「深サ15」のように表記していましたが、機械製図のJIS規格 B 0001の2010年の改正にあたって、穴深さ記号で書くようになりました。
実務上は旧表記で書いても加工者には伝わりますが、JIS規格は誰が見ても解釈が一意になるように統一された規格です。正確なものづくりのために、加工者と設計者との誤解を防ぐためにも最新のJIS規格に準拠して製図することをおすすめします。
製造業の図面は業界独特の記号が使われており、慣れないうちは意味が分かりにくいと思います。こちらの記事で「φ、R、⌴」などの寸法記号について解説しました。あわせて参考にしてみてください。
参考文献
- 出典:日本産業標準調査会「JIS B 0001:2019 製図-機械製図」 ↩︎

