BCPの重要性と中小企業

2024.06.10

皆さんは、風邪など突発的な理由で、仕事が出来なくなってしまったことはありませんか?

中小企業にとっては突発的な理由での業務の中断は致命的な結果をもたらす可能性があります。ここでは、中小企業の業務中断リスクを考えるうえで近年クローズアップされている「BCP」について考えてみたいと思います。

BCPとは

BCPは「Business Continuity Plan」の略で、日本語では「事業継続計画」と呼ばれます。BCPは、災害や事故などの緊急事態が発生した場合にも、事業を継続または迅速に再開できるようにするための計画や手順を指します。

中小企業がBCP(事業継続計画)を策定することは、大規模な企業と同様に重要です。中小企業はリソースが限られているため、緊急事態が発生した際の影響がより大きくなる可能性があります。

BCPの主な目的とメリット

業務の中断を最小限に抑える

BCPは重要な業務を中断せずに継続するための具体的な手順や対策です。BCPを用意することで、災害や事故、サイバー攻撃、パンデミックなどの緊急事態が発生した場合でも、業務の中断を最小限に抑えることができます。また事前に準備された計画に従うことで業務を迅速に復旧させることができます。

リスクの特定と評価

BCPの策定過程でリスクアセスメントを行うことで、潜在的なリスクを特定し、その影響を評価します。これにより、リスクを予防・軽減するための具体的な対策を講じることができます。これにより、企業の安定性と持続可能性が向上します。

従業員の安全確保

BCPには従業員の安全を確保するための避難手順や緊急時の対応方法が含まれており、緊急時に従業員が適切に行動できるよう支援します。緊急時の対応手順や避難計画を明確にしておくことで、従業員の安全を確保できます。これにより、従業員の安心感が高まり、士気が向上します。

信頼の維持

緊急事態が発生した際に、BCPに従って迅速に対応することで、業務の早期再開が可能となります。これにより、顧客や取引先に対する影響を軽減し、企業の信頼性を維持できます。つまりBCPが整備されている企業は、顧客や取引先からの信頼を得やすくなります。

法的・規制的要件の遵守

一部の業界では、BCPの策定が法的または規制的に義務付けられている場合があります。BCPを策定し遵守することで、これらの要件を満たすことができます。

企業価値の保護

緊急事態に迅速かつ効果的に対応することで、経済的損失を最小限に抑えることができます。これは、事業の中断による売上の損失や、復旧にかかるコストの削減につながります。

また、多くの中小企業がBCPを策定していない中、BCPを持つことで競争優位性を確保できます。緊急時にも迅速に対応できる体制が整っていることは、顧客や取引先にとって大きな安心材料となります。

さらにBCPを策定し、定期的に見直すことで、組織は変化するリスク環境に柔軟に対応できる能力を養います。これにより、予期しない状況に対する適応力が向上します。

社会的責任の履行

BCPは、企業が社会的責任を果たす一環としても重要です。災害や緊急事態に備えることで、地域社会や経済全体への影響を軽減し、企業の社会的責任を果たすことができます。

BCPの具体例

BCP(事業継続計画)の具体例を挙げることで、その実際の適用方法や効果を理解しやすくなります。以下にいくつかの具体例を紹介します。

自然災害対策

対応マニュアルの作成、地震発生時の従業員の行動指針、避難経路、集合場所などの明記、定期的なデータのバックアップ、本社が被災した場合に備えた、別のオフィススペースの準備、定期的に地震避難訓練、従業員の教育などです。

サイバー攻撃対策

ファイアウォールやアンチウイルスソフトの導入、定期的なセキュリティパッチの適用、データのバックアップ、サイバー攻撃発生時に迅速に対応するための専門チームの編成、フィッシングメールの認識や安全なパスワード管理など、従業員のセキュリティ意識を向上させる教育を施すなどです。

パンデミック対策

リモートワーク環境の整備、従業員の健康状態の監視、感染予防のためのマスクや消毒液の配布。代替コミュニケーション手段の確保、業務継続の優先順位の設定などです。

システム障害対策

非常用電源の確保:UPS(無停電電源装置)や非常用発電機を設置し、停電時にもシステムが稼働するようにする、データの二重化を実施し、片方のデータセンターがダウンしても業務を継続できるようにする。主要な通信手段が障害を受けた場合に備え、代替の通信手段を用意するなどです。

中小企業のBCPの策定率が低い理由

中小企業のBCP(事業継続計画)の策定率が低い理由はいくつかあります。以下に主要な理由を挙げます。

人的・財務・時間リソースの不足

中小企業は従業員数が限られているため、BCPの策定に必要な専門知識を持つスタッフが不足していることが多いです。

また、BCPの策定にはコストがかかる場合があり、限られた予算の中で優先順位が低くなることがあります。外部のコンサルタントを雇う余裕がない場合もあります。

さらに、中小企業の経営者や管理者は日常業務に追われており、BCPの策定に時間を割くことが難しいと感じることがあります。緊急時対応の計画作成は重要であっても、緊急性が低いため後回しにされることが多いです。

認識の不足

「うちの会社は大丈夫だろう」という過度の楽観主義が影響している場合があります。自社が災害や緊急事態に直面する可能性が低いと考え、BCPの必要性を認識していないことがあります。過去に大きな災害や緊急事態を経験していないと、リスクを軽視しがちです。

また、BCPの策定が事業の安定や成長にどれほど重要かを理解していない企業も多いです。日常業務の中でBCPがどのように役立つかが明確でないため、投資対効果が見えにくいことがあります。

知識とスキル・教育の不足

BCPの策定には専門的な知識が必要です。多くの中小企業は、リスクアセスメントやビジネスインパクト分析(BIA)などの具体的な手順を理解していないことが多いです。BCP策定のための教育や訓練を受ける機会が少なく、従業員が適切な対応手順を知らないことが多いです。

支援・外部ネットワークの不足

中小企業向けのBCP策定支援が十分に行き届いていない場合があります。政府や業界団体の支援プログラムが存在していても、情報が届いていないか、利用方法がわからないことが多いです。同業者や地域の他の企業とのネットワークが弱く、BCP策定の成功事例やベストプラクティスを共有する機会が少ないことも一因です。

中小企業のBCPの具体的手順

以下は、中小企業がBCPを策定する際の具体的な手順と考慮すべきポイントです。BCPの策定には、リスクアセスメント、ビジネスインパクト分析(BIA)、対策の設計・実施、訓練・教育、見直し・改善が含まれます。これにより、企業は緊急事態においても業務を継続し、損失を最小限に抑えることができます。

リスクアセスメント

まず、企業が直面する可能性のあるリスクを特定し、それぞれのリスクが業務に与える影響を評価・分析します。

例えば、地震、台風、洪水などの自然災害、感染症、労働力の不足などの人の問題、システム障害、サイバー攻撃などの技術的な問題、火災、停電、サプライチェーンの中断などのリスクを洗い出します。

重要業務の特定

企業の重要な業務とその優先順位を特定します。これにより、緊急時にどの業務を最優先で復旧すべきかが明確になります。

例えば、顧客とのコミュニケーションとサポートを重視するのか、コアとなる製品やサービスの生産・提供を重視するのか、支払い処理や財務報告を重視するのかを判断します。

緊急時対応計画の策定

緊急事態が発生した際の具体的な対応手順を決めます。

緊急連絡リストの作成や、避難計画の策定、応急処置キット、非常用食料、水などを準備しておくなどです。

データの保護と復旧計画

データの損失を防ぐための対策と、万が一データが損失した場合の復旧計画を立てます。

例えば、重要なデータの定期的なバックアップやクラウドサービスの活用などです。

代替手段の確保

業務を継続するための代替手段を準備します。

例えば、リモートワークの導入や主要な供給先が機能しなくなった場合に備えた代替のサプライチェーンの多重化などです。

訓練と教育

従業員に対して、BCPの内容を理解し、緊急時に適切に対応できるよう訓練を行います。

例えば、避難訓練を定期的に行うことや、緊急事態を想定したシミュレーション訓練の実施などです。

定期的な見直しと更新

BCPは定期的に見直し、必要に応じて更新していきましょう。企業の状況や外部環境の変化に対応するためです。

具体的には、年次レビューをまとめることや、訓練や実際の緊急事態から得られたフィードバックを反映させていくことなどです。

(まとめ)中小企業にとってもBCPの策定は大変重要です

以上、BCPの重要性と中小企業について見てきました。

中小企業がBCPを策定することで、業務の中断を最小限に抑え、リスク管理を強化し、従業員の安全を確保するなど、多くのメリットがあります。これにより、企業は緊急事態にも迅速かつ効果的に対応し、長期的な安定性と成長を確保することができます。

大切なのは何かどんなことが突発的な事象として考えられるかを予測して、そのための準備をしておくことです。つまり、起こってしまってから考えるのではなく、起こる前に予測し、そのための手をあらかじめ打っておくことが重要で、これがBCPの本質と言えるでしょう。

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