無料作図ソフトをうまく使うコツ

2024.06.20

CADシステムの使用料金は高いです。そのため、フリーランスで設計をやっている人や小規模な企業では結構負担感が高いです。そこで、無料のCADソフトを使うことを考えたことがある人も多いのではないでしょうか。

ここでは代表的な無料CADの「FreeCAD」と「Jw_CAD」について紹介し、無料CADを上手に使うコツについて考えてみたいと思います。

無料CADソフトとは

無料CADソフトとは、CADシステムのうち無償で提供されるものを指します。これらのソフトは、使い方によっては個人ユーザーや小規模な企業にとって有用で、小規模な設計業務や教育目的で利用されています。

以下に、機械設計向けで日本での使用例が多い代表的な無料CADソフトをいくつか紹介します。これらの無料CADソフトを利用することで、コストをかけずに高品質な設計を行うことが可能になります。自分のニーズに合ったソフトを選び、使いこなすことで、設計の幅を広げることができます。

FreeCADとJw_CAD

この二つのソフトは、それぞれ特長があり、機械設計においても十分に活用可能です。特に3Dモデリングが必要な場合はFreeCAD、2D図面の作成や日本語サポートが充実しているものが良い場合はJw_CADが適しています。どのソフトが自分のニーズに最も適しているかを確認しながら選択してください。

FreeCAD

 オープンソースの汎用3D CADモデリングツールです。建築、機械設計、製品設計など多岐にわたる用途に対応しています。特徴としては、 パラメトリック3Dモデリング、スクリプトによる拡張、広範なファイル形式をサポートしています。

パラメトリック3Dモデリングが可能なことで 変更と設計の反復が可能です。また、画面上での複雑な機械部品の組み立てが可能です。さらに、有限要素解析が可能で、構造強度や動作のシミュレーションが行えます。プラグインも豊富です。

さらに、世界中のユーザーコミュニティが活発で、情報やサポートが得やすいです。主に、機械設計向けの機能が豊富に揃っています。国際的なソフトウェアですが、日本語のサポートも充実しており、日本での機械設計にも適しています。

欠点としては、 ユーザーインターフェースが直感的ではなく、初心者には操作が難しい場合があります。このため、操作方法や機能を習得するために時間が必要です。

また、バグやクラッシュが発生することがあり、大規模なプロジェクトでは特に安定性に問題が出ることがあります。

さらに、大規模なアセンブリや複雑なモデリングを行うと、処理速度が低下することがあります。逆を言えば、高度なモデリングやシミュレーションには高性能なハードウェアが必要になるということです。

また、オープンソースプロジェクトのため、公式ドキュメンテーションが不十分で、情報が分散していることがあります。また、情報収集がフォーラムやコミュニティのサポートに依存しており、迅速かつ的確なサポートが得られない場合があります。ユーザーコミュニティの規模も商用CADに比べると、あまり大きくありません。

互換性の問題もあります。特定の商用CADシステムとのファイル互換性が完全でない場合があり、データのやり取りに問題が生じることがあります。そして、全てのファイル形式を完全にサポートしているわけではなく、一部の形式ではデータの一部が失われる可能性があります。

これらの欠点にもかかわらず、FreeCADはそのオープンソースの利点とカスタマイズ性、高機能性から、多くのユーザーにとって有力な選択肢となります。

Jw_CAD

Jw_CAD(ジェイダブリューキャド)は、日本で開発された2D CADソフトで、特に建築設計で広く使われていますが、機械設計にも対応できます。

日本語対応のインターフェースで、操作が比較的簡単です。また、初心者でも使いやすく、短時間で習得可能です。

そして、JWW、DXF、SXFなどの主要なCADファイル形式をサポートしています。他のCADソフトとの互換性が高く、データのやり取りがスムーズです。

機能としては、多彩な描画ツール、寸法記入、図形編集機能があります。カスタマイズ可能なマクロやプラグインを利用することで、機能を拡張できます。

ユーザーコミュニティが活発で、インターネット上に多くのチュートリアルやフォーラムがあります。このため、質問や問題解決がしやすい環境が整っています。

特筆すべき点は、システム自体が軽量で、比較的古いPCでもスムーズに動作することです。

欠点としては、Jw_CADは主に2D設計に特化しており、3Dモデリング機能がありません。つまり3D設計が必要なプロジェクトには不向きです。そのため、機械設計用のCADとしては機能が限定されます。つまり、現代のCADとしては2DCADとしての最低限の機能しかありません。

また、インターフェースが古風で、他の現代的なCADソフトと比べると見た目が時代遅れに感じられることがあります。このため、操作が直感的でないため、操作に慣れるまで時間がかかることがあります。

さらに、無料ソフトウェアであるため、公式のサポート体制が充実していません。問題が発生した場合、自己解決するか、コミュニティの助けを借りる必要があります。加えて、公式ドキュメントやチュートリアルが他のCADソフトに比べて少なく、情報を探すのが難しいことがあります。

一部の他のCADソフトとの間でファイル互換性の問題が発生することがあります。特に3Dデータの扱いに制約があります。さらに、複雑なデータ変換が必要な場合、データの一部が失われるリスクがあります。

また、最新のハードウェアを活かす機能が限られているため、高性能PCのメリットを最大限に引き出すのが難しいことがあります。このため非常に大きな図面や複雑な図面を扱うと、パフォーマンスが低下することがあります。

なお、他のオープンソースや商用ソフトウェアに比べてプラグインやアドオンの種類が少ないため、機能拡張の幅が狭いです。そして、Windows限定での動作です。

つまり、多くの機械設計プロジェクトに必要な3Dモデリングや高度な解析のような機能は持っていませんが、機械設計用としては2D図面の作成に適していると言えるでしょう。

無料CADソフトを使う上での注意点

無料CADソフトを使う上での注意点は、以下のような点に注意すると良いでしょう。

ライセンスと利用条件

商用利用を検討している場合は、ライセンス条件を必ず確認しましょう。また、オープンソースの場合、ライセンスが将来的に変更される可能性があります。定期的にライセンス情報を確認しましょう。

サポートとアップデート

問題が発生した場合、自力で解決する能力やコミュニティフォーラムを活用する必要があります。また、定期的にアップデートが提供されているかを確認しましょう。特にセキュリティの観点から、最新のバージョンを使用することが重要です。

機能制限

自分の必要とする機能が無料版に含まれているかを事前に確認しましょう。また、特定の機能を追加するためには、プラグインやアドオンをインストールする必要がある場合があります。

データ互換性

プロジェクトを他の人と共有する場合、データ互換性が重要です。また、他のCADソフトとのデータ互換性を保つために、エクスポートやインポート機能がどれだけ充実しているかを確認することが大切です。

パフォーマンスとシステム要件

自分のPCが必要なシステム要件を満たしているか確認しましょう。無料ソフトは有料ソフトに比べて動作が不安定な場合があります。重要な作業中にクラッシュしないよう、定期的なバックアップを取ることをおすすめします。

データのバックアップ

作業中のデータが失われないように、定期的にバックアップを取る習慣をつけましょう。特に無料ソフトは不具合発生の頻度が高いため、バックアップは重要です。

プライバシーとセキュリティ

信頼できる開発元のソフトを使用することが重要です。公式サイトからのダウンロードを徹底し、不審なリンクやファイルを避けましょう。

無料CADの使い方のコツ

無料CADソフトを効果的に利用するためのコツはいくつかあります。これらのポイントを押さえることで、無料CADソフトの制約を乗り越え、最大限に活用することができます。

ツールの選定と目的の明確化

適切なソフトの選択をしっかり行いましょう。例えば3Dモデリングが必要ならFreeCAD、2D図面が主ならJw_CADが適しています。そして、何を設計するのか、どの機能が必要かを明確にしましょう。これにより、適切なソフトを選び、必要な学習や設定が効率的になります。

学習と習熟

公式サイトやコミュニティフォーラムで提供されているドキュメントやチュートリアルを活用しましょう。基本操作から高度な機能まで幅広く学ぶことができます。オンラインで提供されている多様なリソースを活用して、操作方法やトラブルシューティングを学びましょう。

コミュニティの活用

コミュニティフォーラムで、他のユーザーからの助言を得ましょう。他のユーザーと情報を共有することで知識を深めることができます。

これらのコツを実践することで、無料CADソフトを効果的に活用し、設計作業をスムーズに進めることができます。

(まとめ)無料CADの癖をつかんで上手に使っていきましょう

有料のCADソフトに比べると、無料のCADソフトはそれぞれ独特の癖や制約があります。それぞれの特徴をよく理解し、その特性に合わせた使い方をすることが重要です。

各CADソフトの特徴や強み、注意点を理解した上で、自分のプロジェクトや目的に最も適したソフトを選び、使いこなすことが重要です。

個人の設計事務所や零細企業にとっては、無料CADソフトでも、適切に使えば有効なツールとなりますので、それぞれの特性をよく掴んで活用することを心がけましょう。

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