生産の4Mとその観点からみた生産システムの分析のやり方

2024.06.25

生産に係わる人は「生産の4M」という言葉を一度は聞いたことがあると思います。近年では「5M」や「6M」という言葉も良く聞かれます。ここでは改善活動に必要な「4M分析」や「5Why分析」、「フィッシュボーンダイアグラム」について解説し、製造業における「改善活動」の重要性について述べます。

生産の4Mとは

生産の4Mは、製造業や品質管理の分野で使用される基本的な概念で、生産プロセスに影響を与える4つの主要な要素を指します。4Mは、この「人(Man)」、「機械(Machine)」、「材料(Material)」、「方法(Method)」の頭文字を取ったものです。

4Mは、生産プロセスの管理と改善において重要な役割を果たします。各要素が相互に関連し合っており、いずれかの要素に問題があると全体のパフォーマンスに影響を与えます。4Mを体系的に分析することで、生産プロセスの問題点を特定し、改善することが可能です。

各要素の詳細

人(Man)

人の要素は、作業者のスキル、知識、経験、訓練、健康状態、モチベーション、作業環境などです。例えば、作業者のスキルや知識が不足していると、ミスや不良品が増える可能性があります。この場合、適切な訓練や教育、作業環境の整備が必要です。

機械(Machine)

機械の要素は、機械設備、工具、治具、メンテナンス状況、設備の性能、信頼性、配置などです。例えば、機械の故障や不具合が発生すると、生産が停止したり、不良品が発生したりします。この場合、定期的なメンテナンスや設備の更新が重要です。

材料(Material)

材料の要素は、原材料、部品、サプライヤーの品質、在庫管理、材料の取り扱い方法などです。例えば、不良品や品質問題は、材料の品質や供給の安定性に起因することがあります。この場合、適切な材料の選定と管理が必要です。

方法(Method)

方法の要素は、作業手順、標準作業書、作業工程、プロセス設計、効率性、改善活動などです。例えば、不適切な作業手順や非効率な工程設計は、生産効率の低下や品質問題を引き起こします。この場合、標準作業手順の徹底と継続的な改善が重要です。

4M分析の手順

まず、「問題の明確化」を行います。つまり解決したい問題や課題を具体的に定義します。

つぎに、データ収集を行い、問題に関連するデータや情報を収集します。

そして、4Mの要素ごとの原因分析を行います。この作業が最も重要です。各要素(人、機械、材料、方法)について問題の原因を洗い出します。手法として有名なものに「5Why分析」などがあります。

さらに、「フィッシュボーンダイアグラム」などを用いて、原因と結果の関係を整理します。

分析が終了し、原因が特定したら、具体的な改善策を立案し、実行します。

最後に、改善策の効果を確認し、成功した場合は標準作業手順に組み込みます。

4M分析を継続的に実施することで、生産プロセスの効率化や品質向上が期待できます。

4M分析上の注目点

生産現場でトラブルや問題が発生した場合、4つのMの観点から問題を分析することで、原因を体系的に特定しやすくなります。それぞれの観点から詳細にチェックし、具体的な原因を特定することで、効果的な対策を講じることができます。このプロセスを継続的に実施することで、生産プロセスの効率と品質を向上させることが可能です。

人(Man)の観点

・スキルと訓練: 作業者は十分な訓練を受けているか、必要なスキルを持っているか。

・作業手順の理解度: 作業者が標準作業手順を理解し、遵守しているか。

・健康状態とモチベーション: 作業者の健康状態や精神的なモチベーションはどうか。

・作業環境: 作業者が働く環境は適切か(例えば、騒音、照明、温度など)。

例えば・・・

トラブル: 製品の組み立てミスが頻発している。

分析: 作業者が適切な訓練を受けておらず、作業手順を十分に理解していないことが原因と判明。

機械(Machine)の観点

・機械のメンテナンス: 機械が定期的にメンテナンスされているか。

・設備の状態: 機械や設備の老朽化や故障はないか。

・機械の性能: 機械の性能が要求を満たしているか。

・工具と治具: 使用される工具や治具の状態はどうか。

例えば・・・

トラブル: 生産ラインが頻繁に停止する。

分析: 機械の定期メンテナンスが行われておらず、機械の一部が故障していることが原因。

材料(Material)の観点

・材料の品質: 使用される材料の品質は適切か。

・材料の取り扱い: 材料が適切に保管・取り扱われているか。

・サプライヤーの信頼性: サプライヤーの品質管理はどうか。

・在庫管理: 材料の在庫管理が適切に行われているか。

例えば・・・

トラブル: 製品の品質が一定していない。

分析: 原材料の一部に品質のばらつきがあり、サプライヤーからの納品時の検査が不十分であったことが原因。

方法(Method)の観点

・標準作業手順: 標準作業手順が整備されているか。

・作業手順の適切性: 作業手順が最適化されているか、無駄がないか。

・手順の順守: 作業者が標準作業手順を順守しているか。

・改善活動: 継続的な改善活動が行われているか。

例えば・・・

トラブル: 生産効率が低下している。

分析: 作業手順に無駄な工程が含まれており、最適化されていないことが原因。

フィッシュボーンダイアグラムとは

フィッシュボーンダイアグラム(Fishbone Diagram)は、因果関係を視覚的に整理するためのツールで、主に問題の原因を分析する際に使用されます。日本では「特性要因図(Ishikawa Diagram)」とも呼ばれ、品質管理の専門家である石川馨博士によって考案されました。このダイアグラムの形が魚の骨に似ていることから「フィッシュボーン」と呼ばれています。

フィッシュボーンダイアグラムの構造

フィッシュボーンダイアグラムは、以下のような構造を持っています

・問題(頭):魚の頭にあたる部分に、分析したい主要な問題や結果を記述します。

・主な原因カテゴリ(骨):魚の背骨から斜めに伸びる線(肋骨)に、原因カテゴリを記入します。一般的には、4M(人、機械、材料、方法)を使います。

・詳細な原因(小骨):各カテゴリの原因に対して、さらに細かい原因を肋骨から枝分かれさせる形で記入します。

フィッシュボーンダイアグラムの欠点

フィッシュボーンダイアグラムは問題解決のための有効なツールですが、いくつかの欠点や限界もあります。このため、多くの改善活動ではその他の手法(例えば「5Why分析」など)と組み合わせて使用されます。

まず、複雑な問題に対してすべての原因を網羅することが難しい場合があります。複数の要因が絡み合った複雑な問題に対しては、原因と結果の関係を完全に解明することが困難です。

また、原因を視覚的に整理するには有効ですが、各原因の重要度や影響度を評価し、優先順位を付けることは難しいです。すべての原因が同等に扱われるため、どの原因に対処すべきかの判断がしづらい場合があります。

そして、詳細なものを作成するためには、時間と労力が必要です。特に大規模なプロジェクトや問題の場合、多くのリソースを割く必要があります。

また、根本原因にたどり着くためには追加の分析が必要です。ダイアグラムだけでは、表面下にある根本的な問題を見逃す可能性があります。

最後に、効果的なフィッシュボーンダイアグラムを作成するためには、複数の視点や知識が必要です。そのため、チーム全体の協力が欠かせません。チームメンバー間のコミュニケーションがうまくいかない場合、十分な結果が得られないことがあります。

5Why分析とは

5Why分析(5 Whys Analysis)は、問題の根本原因を特定するためのシンプルかつ効果的な手法です。この方法では、「なぜ?」という質問を5回繰り返すことで、問題の表面的な原因ではなく、根本的な原因にたどり着くことを目指します。5回という回数はあくまで目安であり、実際にはそれ以上やそれ以下の回数で原因にたどり着く場合もあります。多くの場合、フィッシュボーンダイアグラムによる分析を補完する形で行われます。

5Why分析の目的

・根本原因の特定:問題の表面的な症状ではなく、根本的な原因を特定します。

・効果的な対策の実施:根本原因を解決することで、同じ問題の再発を防ぐことができます。

5Why分析の例

例えば「製造ラインの機械が停止した」というトラブルには・・・。

なぜ?:機械がオーバーヒートした。

なぜ?:冷却システムが故障した。

なぜ?:冷却システムのポンプが動いていなかった。

なぜ?:ポンプの電源が切れていた。

なぜ?:電源ケーブルが断線していた。

という分析が可能です。この例では、電源ケーブルの断線が根本原因として特定されました。この根本原因に対して、ケーブルの点検とメンテナンスを強化する対策が必要ということになります。

5Why分析のメリット

まず、特別なツールやトレーニングを必要とせず、短時間で実施できます。そして、表面的な原因ではなく、根本原因にたどり着くことができます。さらに、チーム全体で議論することで、多様な視点から原因を探ることができます。

効果的な5Why分析の実施ポイント

まず、推測や仮説ではなく、具体的なデータや事実に基づいて「なぜ?」を問い続けることが重要です。

そして、多様な視点を取り入れるために、関係者全員で実施することが望ましいです。

また、分析結果を定期的に見直し、必要に応じて改善策を更新します。

(まとめ)4M分析を使って生産システムを継続的に育てていきましょう

以上、改善活動に必要な基本的な考え方である「4M」とその分析ツールについて簡単に説明しました。

多くの「強い」製造業はこれらの「改善活動」を地道に「しぶとく」行っています。

大切なのは、これらの分析を継続的に続けることで、生産システムを継続的に改善し、「育てて」いくことが重要です。この継続的な改善のプロセスは、単に一時的な問題解決ではなく、組織全体の文化として根付かせることが求められます。

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