フリーランス3DCAD エンジニアのなり方と食べていき方
2024.06.27
昔から設計技術者の夢の一つに「独立して自分の設計事務所を持つ」というのがあります。ITフリーランスの陰に隠れて目立たなくなりましたが、機械設計のフリーランスの設計者には依然として隠れた根強い需要があります。
ここでは、3D CADのフリーランスとしてのキャリアを考える際に重要なステップと考慮事項を解説し、具体的にどんな手段で仕事を取ってくるかを考えてみたいと思います。
目次
3DCADフリーランスの日本での需要
日本は自動車、電子機器、機械工業などの製造業が盛んで、これらの業界では3D CADのスキルが不可欠です。製品設計やプロトタイピングのために、多くの企業が3D CADの専門家を必要としています。特に、中小企業が3DCADの使えるフリーランスに依頼をしています。
3DCADフリーランスの時給
日本におけるフリーランス3D CADエンジニアの時給は、経験やスキル、プロジェクトの内容によって幅がありますが、初級で2,000円〜3,000円、中級で3,000円〜5,000円、上級で5,000円〜8,000円、専門家レベルで8,000円〜12,000円以上が一般的な相場です。
製造業では派遣での就業も多い
ネット上では3DCADの仕事は派遣社員としての募集が目立ちます。特に大手製造業では、多く見受けられます。
メリットとしては、派遣社員は月給制や時給制で働くため、安定した収入を得ることができます。フリーランスに比べて収入の波が少ないのが特徴です。
また、派遣会社を通じて雇用されるため、社会保険や有給休暇などの福利厚生が受けられます。さらに募集は大手企業が中心なので、大手企業特有のプロジェクトに参加することで、多様な経験を積むことができ、スキルアップに繋がります。
デメリットとしては、フリーランスに比べて、勤務時間や場所に対する自由度が低いです。派遣先の指示に従う必要があります。在宅での勤務も徐々に増えてきてはいますが、まだまだ客先常駐が多いです。
また、派遣社員は正社員に比べてキャリアの上限がある場合があります。昇進や給与アップの機会が限られていることが多いです。
フリーランスとしての3D CADの仕事
メリットとしては、プロジェクトやクライアントを自分で選ぶことができ、働く時間や場所も自分で決められます。また、自分のスキルや交渉力次第で高い報酬を得ることができます。多くのプロジェクトをこなせば、派遣社員よりも高い収入を得る可能性があります。
さらに、様々なクライアントやプロジェクトに携わることで、幅広い経験を積むことができ、自分のポートフォリオを豊かにすることができます。
デメリットとしては、仕事の依頼が途切れることがあり、収入が不安定になるリスクがあります。継続的に仕事を確保するための営業活動が必要です。また、フリーランスは自己責任で健康保険や年金の管理を行う必要があります。病気や怪我で働けない場合のリスクが高いです。
派遣で経験を積み、フリーランスになるキャリア
派遣で経験を積んでからフリーランスになるというキャリアパスは、非常に有効な戦略です。このアプローチには多くのメリットがあり、成功するための土台を築くことができます。
メリットとしては、実際のプロジェクトに参加することで、3D CADソフトの操作や設計の実務経験を積むことができます。これはフリーランスとして仕事を得るための信頼性を高めます。
また、派遣先の企業や同僚とのネットワーキングを通じて、将来的にフリーランスとしての仕事の依頼や紹介を受けやすくなります。
多様なプロジェクトや業界での経験を通じて、技術スキルや業界知識を向上させることができます。これにより、幅広いクライアントに対応できるスキルセットを持つことができます。
さらに、フリーランスになる前に経済的に安定するため、派遣社員としての安定した収入と福利厚生を利用できます。
キャリアパスのステップ
ここではフリーランス3DCADエンジニアになるために派遣社員を使った例を説明します。
まず、派遣会社を通じて3D CADの仕事を得て、実務経験を積みます。プロフェッショナルなネットワークを構築するともに、仕事を通じてスキルを向上させ、完成度の高いポートフォリオを作成します。これにより派遣先での実績を基に信頼性を高めます。
つぎにビジネススキルを習得し、クライアントの確保とオンラインプラットフォームの活用を進めます。必要なツールやソフトウェアを準備し、フリーランスとしての基盤を整えます。
そして、派遣社員としての経験を活かし、フリーランスとして独立します。初期のクライアントを確保し、あまり手を広げず持続可能なフリーランスビジネスを構築します。
フリーランス3DCADエンジニアの募集が多くあるサイトの例
AutodeskやDassault Systemsなど、3D CADソフトウェアメーカーが運営するコミュニティやフォーラムでは、専門的なプロジェクトの募集が行われることがあります。
また、あまり案件数は多くありませんが、ITエンジニア向けのエージェントサイトや、クラウドソーシングサイトにも3DCAD案件の募集がある場合があります。
「Indeed」や「リクナビNEXT」などの一般的な求人サイトでも、フリーランスや契約社員向けの案件が掲載されている場合があります。キーワード検索を利用して、3D CADエンジニアの案件を見つけることができます。
なお、上記に挙げたクラウドソーシングサイトや転職サイトのほかに「ビジネスマッチングサイト」というものがあります。例えば「比較ビズ」などがあります。これは、主に個人事業主がネット上で仕事を受注するのに有効なサイトで、3DCAD案件もあります。
これらのサイトでの案件を丁寧に探し、受注を受けるのが最初のステップです。
自分でSNSやブログ、HPを立ち上げる方法
自分でSNS、ブログやホームページ(HP)を作成し自分のスキルや実績をアピールすることで潜在的なクライアントと直接つながることもできます。自分のブログやHPを活用してネット営業を行うことで、フリーランスの3D CADエンジニアとしての知名度を上げ、クライアントからの信頼を得ることができます。SEO対策やソーシャルメディアの活用、メールマーケティングなどを組み合わせることで、効果的に自分のサービスを広めることができます。
プロジェクト事例の紹介
過去に手掛けたプロジェクトを紹介し、具体的な成果や使用した技術、プロセスを説明します。ただし、手がけたプロジェクトの具体的内容は守秘義務に反しない程度で開示することに注意が必要です。
技術スキルのアピール
使用可能な3D CADソフトウェアや関連する技術スキルを一覧化し、各スキルの具体的な応用例を示します。
ホームページの充実
例えば「フリーランス 3D CAD 日本」や「3Dモデリング サービス 東京」など、自分のサービスに関連するキーワードを調査し、それをブログ記事やHPのコンテンツに組み込みます。さらに定期的に技術記事やプロジェクト事例、業界ニュースなどのコンテンツを更新します。これにより、検索エンジンでの表示順位が向上します。
また、3D CADに関するチュートリアルや技術的な解説記事を投稿します。これにより、業界内での信頼性を高めることができます。
フリーランス3DCADエンジニアは、顧客が気に入るとリピートが望める。
フリーランスの3D CADエンジニアはITエンジニアに比べて人数が少ないため、顧客との関係を構築し、信頼を得ることでリピート案件の獲得がしやすくなります。以下に、顧客に気に入ってもらい、リピート案件を増やすための戦略をいくつか紹介します。
高品質な仕事の提供
納期を厳守し、細部にまで気を配り、ミスのない高品質な3Dモデルを提供します。これにより、顧客からの満足度が向上します。
顧客とのコミュニケーション
進捗状況を定期的に報告し、顧客とのコミュニケーションを密に保ちます。また、顧客からのフィードバックを積極的に受け入れ、迅速に対応します。これにより、顧客のニーズに合ったサービスを提供できます。
また、図面のミスや、製造上の問題が発生した場合に迅速に対応し、顧客の信頼を維持します。
定期的なフォローアップ
プロジェクトが完了した後も定期的に連絡を取り、関係を維持します。これにより、新しいプロジェクトが発生した際に優先的に依頼される可能性が高まります。さらに定期的にニュースレターを発行し、自分の最新の仕事やスキルアップについて顧客に知らせます。
ポートフォリオの充実
過去の成功事例や顧客からの推薦文をポートフォリオやブログ、HPに掲載し、新しい顧客に対して信頼性をアピールします。また、自分の強みや専門分野を明確にし、その分野での実績をアピールすることで、特定のニーズを持つ顧客からのリピートを促進します。
(まとめ)フリーランスにはつながりとプロ根性が必要です
フリーランス3D CADエンジニアとして顧客に気に入ってもらうためには、高品質な仕事の提供、優れたコミュニケーション、充実したアフターサービス、継続的な関係構築などが重要です。これらの戦略を実行することで、顧客との信頼関係を強化し、リピート案件の獲得を増やすことができます。
いずれにしてもフリーランス3DCADエンジニアとしてやっていこうと思うのであれば、まず将来を見越して地道にキャリアを積み重ね、「つながり」と「プロ根性」を身に付ける必要があります。頑張りましょう!!
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