お勧めの2DCADはこれです

2024.07.09

皆さんはCADシステムと言えば「3DCAD」だけと思っていませんか?実は3Dモデリングよりもある意味重要なのが2Dの図面です。なぜかというと実際に部品を作るのはこの2D図面を基準にして作られるからです。

そして、この2D図面の作成に特化したCADシステムは「2DCAD」と呼ばれ、3DCADに比べると大変コストパフォーマンスの高いシステムが多いです。

ここでは、使いやすい2DCADシステムの条件や、お勧めの2DCADシステムについて解説し、最後に、プロ向けとしては大手ベンダーの2DCADシステムが最も適している理由を考えたいと思います。

使いやすい2DCADの条件

使いやすい2D CADソフトの条件にはいくつかのポイントがあります。以下に挙げる条件が揃っていると、使いやすさが向上します。

1.直感的なユーザーインターフェース

初心者でも使いやすいように設計されていること。アイコンやメニューが分かりやすく配置されていること。これにより短時間で操作に慣れることができます。

2.充実したサポートと学習資料

オンラインヘルプ、チュートリアル動画、ユーザーマニュアルが豊富なこと。これにより問題が発生したときにすぐに解決策を見つけやすいです。

3.カスタマイズ可能なツールとショートカット

ユーザーが自分の作業スタイルに合わせてツールやショートカットをカスタマイズできること。これにより効率的に作業が進められます。

4.安定性とパフォーマンス

ソフトウェアが安定して動作し、大きなファイルでもスムーズに操作できること。これにっより作業中のクラッシュや遅延が少なく、ストレスなく作業できます。

5.ファイルフォーマットの互換性

特徴: さまざまなファイル形式(特にDWGやDXF)との互換性があること。他のソフトウェアや外部のクライアントとのデータのやり取りがスムーズになります。

6.コストパフォーマンス

システムのライセンス価格がリーズナブルで、機能に見合った価値があること。これにより 長期的に見てコストが抑えられます。

7.便利な作図ツールと機能

よく使う作図ツール(例:ライン、円、矩形など)が簡単にアクセスでき、使いやすいこと。これにより作図作業が効率的に進められます。

8.サードパーティ製プラグインやアドオンの対応

様々な追加機能やプラグインをインストールできること。ソフトの機能を拡張し、自分のニーズに合わせてカスタマイズ可能になります。

さらに、機械設計に適した2D CADソフトは、特に以下のポイントを重視する必要があります

9.精密な描画機能

機械部品や組立図の高精度な描画が可能なこと。

10.互換性

他のCADソフトやCAMシステムとファイル互換性が高いこと。

11.豊富なライブラリ

標準部品や機械要素のライブラリが充実していること。

12.強力な寸法管理機能

寸法や公差の管理が容易なこと。

お勧めの2DCADシステム3つ

これらの条件を踏まえ、機械設計に適した2D CADシステムをここでは3つ紹介します。

AutoCAD LT

Autodeskによる業界標準のCADソフトウェア。強力な機能を持ち、広範な互換性があります。また、 信頼性が高く、広く使用されているため、学習資料やサポートも充実しています。

さらに、高い精度と多機能性を持っています。そして、機械設計に必要なツールが揃っており、詳細な図面作成が可能であり、強力な寸法管理機能とあいまって、精密な機械部品の設計が可能です。

一方、ライセンスコストが比較的高いというデメリットもあります。

DraftSight

Dassault Systemesによるプロフェッショナル向けの2D CADソフトです。比較的低価格です。

AutoCADのユーザーにはなじみやすいインターフェースを持ち、特に機械設計向けのツールが揃っています。結果、コストパフォーマンスが良いという特徴があります。

また、AutoCADと高い互換性があり、日本語対応も良好です。サポートとユーザコミュニティが充実しています。

Solid Edge 2D Drafting

Siemens製の2D CADソフトで、特に機械設計向けのツールが充実しています。無料で利用可能です。つまり、豊富な機能を無料で使うことが出来ます。さらに機械設計に必要なツールやライブラリが豊富です。

一方、デメリットとしては、 機能が豊富な分、使いこなすまでに少し時間がかかるかもしれないことが挙げられます。

これらのソフトウェアは、機械設計に必要な機能やツールが充実しており、使いやすさと性能を兼ね備えています。自身のニーズに最も合ったものを選ぶと良いでしょう。

業界標準はどれ?

業界標準としてはAutoCAD LTです。AutoCAD LTは機械設計向けの2D CADとして非常に優れています。もっとも、他にもいくつかの選択肢があります。

つまり、DraftSightやSolid Edge 2D Draftingは、AutoCAD LTの有力なライバルと言えます。どちらも機械設計向けの強力なツールセットを持っており、甲乙捨てがたいものがあります。

どれを選ぶべきか?

コストを重視する場合

初期投資を抑えたい場合、Solid Edge 2D Draftingはコストパフォーマンスが高く非常に魅力的です。また、DraftSightもAutoCAD LTに比べるとコストパフォーマンスが高いです。

互換性を重視する場合

AutoCADに慣れている場合、DraftSightは非常にスムーズに移行できる選択肢です。

機能性を重視する場合

いずれも機械設計向けの機能が充実しており、具体的なニーズに応じて選ぶと良いでしょう。

実績・安定性を重視する場合

ファイルの互換性を含めたシステムの安定性を重視する場合は、AutoCAD LTが優れています。また、実績を重視する場合にもAutoCAD LTが良いでしょう。

総じて、DraftSightやSolid Edge 2D Draftingはどちらも優れた2D CADソフトウェアであり、AutoCAD LTの強力な代替となる可能性があります。しかし、実績を重視する場合には、やはりAutoCAD LTが無難な選択になります。

いずれにしても、各ソフトの特長を理解し、自分の作業スタイルやニーズに最も適したものを選ぶことが重要です。

3DCADで実績のある大手ベンダーの2DCADはどう?

Dassault SystemesやAutodeskなどの大手ベンダーが提供する2D CADシステムは、機械設計に非常に適しています。

これらのソフトウェアは、長年にわたって業界の標準として確立されており、多くの機械設計者やエンジニアに信頼されています。

このような長い歴史のあるベンダーは機械設計用CADシステムに求められるものをノウハウとして蓄積しており、それを2DCADシステムにも反映させているのです。

このため、2DCADであっても機械設計向けに使いやすい配慮がなされており、プロフェッショナル向けに適したCADシステムが多いのです。

フリーソフトの2DCADシステムはどう?

フリーソフトのCADシステムは何といってもライセンス料がかからないというメリットがあります。代表的なもので日本語に対応したフリーCADシステムには「Jw_CAD」などがあります。

また、ユーザコミニティーが盛んで、様々なノウハウを吸収できる可能性もあります。

そのため、トラブルや不明点が生じても「自分で何とかする」という「心意気」のある人にとっては、良い選択になるかもしれません。つまり、トラブル対応を「楽しめる」人には面白い選択といえるでしょう。

しかし、多くの場合、機械設計のプロには設計業務の効率を上げることが求められます。そのため、CADシステムには「トラブルを起こさずに確実に動作する」ことが求められます。

この点で、ベンダーの公式サポートのないフリーCADシステムでは不安感がぬぐえません。

したがって、「機械設計をやってみようかな」とか、あくまで小規模のプロジェクトでは使用の可能性が出てきますが、本格的な機械設計業務では信頼性の観点でフリーのCADシステムは使用するべきではないと考えられます。

やはり、「プロ」が使用する「道具」は「信頼性」が重要です。そのため、長い歴史とノウハウのある大手ベンダーの提供する2DCADシステムがベストの選択です。ライセンス料の負担は少々「懐に痛い」ですが(笑)、実績のある有料CADシステムを使う理由はここにあるのです。

(まとめ)2DCADも実績のあるものを選びましょう

大手ベンダーが提供する2D CADシステムは、信頼性、機能性、互換性の面で非常に優れています。特に機械設計においては、詳細な図面作成や精密な寸法管理が必要となるため、これらのソフトウェアが有力な選択肢となります。用途や予算に応じて、最適なソフトウェアを選ぶことが重要です。

おすすめは、実績から言えば「AutoCAD LT」、コストパフォーマンスから選べば「DraftSight」、機能性を重視するなら「Solid Edge 2D Drafting」です。プロ向けの2DCADシステムはこの3つから選ぶのが最も有利な選択と言えるでしょう。

いずれにしても、自分の設計プロジェクトの特質を良く把握して、適切な2DCADシステムを選びたいものです。

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