代表的な中小企業向けDX補助金について

2024.07.30

皆さんは「補助金」は利用したことがありますか?近年、産業を盛り上げるための政策として、政府が補助金を出す場合が多くなっています。申請し審査に通ればお金が出るわけで、使い方によっては大変助かる制度です。

特にDX化については政府・地方自治体も力を入れており、多くのDX補助金が創設されています。ここでは、代表的な2つのDX補助金を取り上げ概要を説明し、補助金に関するいくつかあるアクセス方法について解説しました。

中小企業向けDX補助金とは

中小企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に対する補助金は、日本政府が中小企業のIT化やデジタル技術の導入を支援するために提供している助成金です。以下に主なポイントをまとめます。

補助金の目的は、中小企業の業務効率化、生産性向上、デジタル技術の導入促進、経営基盤の強化などが挙げられます。

また、補助金は多くの場合、中小企業(製造業、サービス業、小売業など)や個人事業主が対象となっている場合が多いです。

補助対象となる事業としては、ITツールやソフトウェアの導入、デジタル技術を活用した新しいビジネスモデルの構築、業務プロセスのデジタル化、オンラインマーケティング、ECサイトの構築、サイバーセキュリティ対策の強化などが挙げられます。

代表的なDX補助金2つ

IT導入補助金

IT導入補助金は、中小企業がITツールを導入する際にかかる費用を補助することで、生産性の向上や業務効率化を支援する制度です。以下に、具体的な内容を説明します。

目的としては、中小企業の生産性向上と業務効率化を図るため、ITツール(ソフトウェア、クラウドサービスなど)の導入費用の支援です。

対象企業は、中小企業・小規模事業者(製造業、サービス業、小売業など幅広い業種が対象)です。

対象となるITツールは、業務プロセスの改善を図るためのITツールや、会計・給与・販売管理システム、顧客管理(CRM)システム、受発注管理システム、ECサイト構築ツール

グループウェア、チャットツール、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)ツールなどです。

補助金額・補助率は、補助金額は、導入費用の一部を補助する形で、上限金額が設定されています。また、通常、補助率は1/2〜2/3程度(具体的な補助率や上限額は年度や事業計画により異なる)です。

申請の流れとしては、まず、公募要領に掲載されている「IT導入支援事業者」が提供するITツールから選定します。IT導入支援事業者とは、ITツールの導入支援を行う認定企業や団体のことです。

そして、事前準備を行います。自社の業務課題や改善点を明確にし、導入するITツールの選定と事業計画書の作成をおこないます。そしてIT導入支援事業者と相談しながら、補助金申請書類を準備します。

つぎに、IT導入支援事業者と連携してオンラインで申請書を提出します。申請内容には、企業の情報、導入するITツールの詳細、事業計画、費用見積もりなどが含まれます。

事務局では提出された申請書の内容を基に審査が行われ、採択結果が通知されます。

そして、採択された場合、ITツールの導入を実施します。導入後の効果や進捗を記録し、必要に応じて報告書を作成します。

最後に、事業終了後、導入したITツールの効果や実施内容について報告し、補助金の支払いが行われます。

ものづくり補助金

ものづくり補助金は、中小企業が新製品や新技術の開発、生産プロセスの改善などを行う際にかかる費用を補助する制度です。

中小企業の競争力強化や生産性向上を支援するため、新製品・新技術の開発や生産プロセスの改善を促進します。中小製造業がITを用いて生産工程の改善を行う場合、こちらの補助金の方が向いていると考えられます。

対象企業としては、中小企業・小規模事業者(製造業、サービス業、小売業、農林水産業など幅広い業種が対象)です。

対象事業は、新製品や新技術の開発、生産プロセスの改善(特にITの使用)、設備投資(機械設備、IT設備など)、その他、生産性向上に寄与する取組みです。

補助金額・補助率は一般型(通常枠):補助率1/2以内、補助上限額は1,000万円程度、グローバル展開型:補助率1/2以内、補助上限額は3,000万円程度、小規模型:補助率2/3以内、補助上限額は500万円程度です。

申請の流れとしては、まず事前準備を行います。事業計画書の作成し、新製品や新技術の開発計画、事業の具体的な内容、期待される成果などを明記します。加えて、必要書類の準備を行い、事業計画書、企業情報、財務情報、見積書などを用意します。

つぎに公募情報の確認を行います。中小企業庁や各地方自治体のウェブサイトで公募情報を確認し、公募要領を熟読し、申請要件や提出期限をしっかり確認しましょう。

事前準備が終了したら、オンライン申請システムを利用して申請書を提出します。申請内容には、事業計画、企業情報、費用見積もり、財務情報などが含まれます。

事務局では、提出された申請書類を基に審査が行われます。審査基準には、事業の実現性、効果の見込み、企業の経営状況などが含まれます。

採択された場合、通知が行われます。そして、補助金の交付決定後、事業を実施し、進捗状況を報告する必要があります。

最後に事業終了後、成果報告書を提出し、審査を受けた上で補助金が支払われます。

補助金を受ける場合の注意点

まず、申請要件や提出期限は厳密に守る必要があります。さらに、事業計画書は具体的かつ実現可能な内容を記載することが重要です。また、補助金の申請には多くの書類が必要となるため、事前にしっかりと準備することが求められます。できれば、中小企業診断士や行政書士などの専門家のサポートを受けることが望ましいでしょう。

そして、最新情報の確認を怠らないようにしましょう。詳しい情報や最新の公募情報については、中小企業庁や各地方自治体の公式ウェブサイトを確認することをお勧めします。また、地域の商工会議所や中小企業支援センターなども有益な情報源です。

中小企業DX補助金に関する駆け込み寺的なところ

中小企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)補助金に関する相談やサポートを受けられる「駆け込み寺」的な機関やサービスはいくつか存在します。以下は、そのような相談窓口や支援機関です。

中小企業庁(中小企業のIT化・DX推進窓口)

中小企業庁のウェブサイトでは、DX推進に関する情報提供や補助金の詳細、申請方法についての説明があります。また、定期的に開催される説明会やセミナーの情報も提供されています。

各地方自治体の中小企業支援センター

各都道府県や市区町村が運営する中小企業支援センターでは、DX推進に関する個別相談や情報提供を行っています。専門のアドバイザーが在籍しており、補助金の申請方法や事業計画の作成についてもサポートしてくれます。各地方自治体の公式ウェブサイトから、最寄りの支援センターを検索することができます。

商工会議所

全国の商工会議所では、中小企業向けのDX支援や補助金申請に関する相談窓口を設置しています。地域ごとに専門家による相談会やセミナーが開催されることも多いです。

中小企業基盤整備機構

中小企業基盤整備機構は、中小企業のデジタル化を推進するための様々な支援プログラムを提供しています。IT導入補助金に関する情報提供や申請サポートも行っています。

IT導入支援事業者

認定されたIT導入支援事業者(ベンダー)は、補助金申請のプロセス全般をサポートしてくれます。専門知識を持つコンサルタントが、企業のニーズに合わせた最適なITツールの選定から申請書類の作成までを支援します。公募要領や各支援事業者のウェブサイトから、認定支援事業者を検索することができます。

民間会社

民間のコンサルティング会社でも、DX推進や補助金申請に特化したサービスを提供しています。専門家による具体的なアドバイスやサポートを受けられますが、費用が発生する場合があります。これらの会社や機関では、オンラインでDX推進に関するウェビナーやセミナーを開催しています。

行政書士や中小企業診断士の活用

行政書士や中小企業診断士も中小企業のDX推進や補助金申請において重要なサポート役を果たします。以下に、それぞれの役割と利用方法を説明します。

行政書士

行政書士は、主に補助金申請に関する書類作成や手続きのサポートを行います。

行政書士は、補助金申請に関する専門知識を持っており、申請書類の準備や提出に関するアドバイスを提供してくれます。日本行政書士会連合会のウェブサイトから、近隣の行政書士を検索することができます。

中小企業診断士

中小企業診断士は、経営コンサルタントとして企業の経営課題解決や事業計画の策定を支援します。

日本中小企業診断士協会のウェブサイトから、認定された中小企業診断士を検索することができます。各地方自治体や商工会議所でも中小企業診断士による無料相談を行っている場合があります。

(まとめ)このほかにも様々なDX補助金があります

以上、中小企業向けのDX補助金について見てきました。

上記で取り上げた補助金は国が行っている補助金事業ですが、その他にも地方公共団体が行っている補助金もあります。このような地方公共団体が行っている補助金は地元の事情に詳しい行政書士や、中小企業診断士が多く情報を持っており、このような専門家を使うのもおすすめの方法です。

中小企業診断士や行政書士は、補助金だけでなく、会社経営に関する様々な情報を持っていいます。このような専門家の知り合いが一人いると、何かと助かる存在です。

いずれにしても、補助金をうまく使って、自社のDX化を推進していきましょう。

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