図面をタブレット端末で閲覧・検索可能にするメリットとは?

2024.02.27

従来、図面は紙で持ち歩くものでした。しかし、近年、図面の電子化の進展で、紙で持ち歩くではなく、タブレット端末で持ち歩くメリットが多くなっています。ここでは、特に営業や製造など、「現場の最前線」でのタブレット端末の利用について考えてみたいと思います。

図面をタブレット端末で閲覧することのメリット・デメリット

図面をタブレット端末からアクセスするメリットとデメリットは、以下のようなものです。

メリット

メリットは、「現場」の人たちの仕事がやりやすくなるというのが最大のメリットです。図面を集中して管理しているデータベースを製造部門や営業部門、ユーザーサポート部門にも開放することで、図面情報を全社で有効かつ統合的に活用することが出来ます。

また、図面を持ち運びする場合にも、紙にプリントアウトする必要がなく、煩雑さが軽減されます。

さらに、図面の破損や汚れ、劣化の可能性が低く、タブレット端末が動く限り図面を表示することが出来ます。

なお、タブレット端末からのアクセスを容易にするためには、操作が簡単・容易で、シンプルな図面管理システムが使いやすいでしょう。

デメリット

デメリットは、タブレット端末の導入にある程度のイニシャルコストがかかることです。また、タブレット端末を置き忘れたり、紛失したりすると、タブレット端末から会社の情報が流出してしまい、セキュリティーの問題が生じる可能性があります。さらに、使いやすく適切な情報・図面管理システムが導入されていないと、かえって業務効率が低下します。

このため、システムを導入する場合には、タブレット端末使用時の特有の問題を分析し、自社に合ったシステムを導入する必要があります。

この分析が適切になされ、自社にあった図面管理システムが導入された場合、現場を含めた会社全体の業務効率は大きく改善されるはずです。

タブレット端末を利用できるようになった理由

次にタブレット端末を利用できるようになった理由・背景を考えてみましょう。

図面の電子化の進展

一番大きい理由は、図面の電子化が進んだことです。大昔は紙の図面を持ち歩いていましたが、電子化がなされたことで、大量の情報をものすごくコンパクトに持ち運べるようになりました。また、大量の情報を素早く検索できる検索技術も進み、昔に比べて、図面情報へのアクセスと活用が容易になっています。

コンピュータを使った図面管理システムの普及

そして、これらの情報の管理はデジタル化によってコンピュータでシステム化されています。現在では、作図から製造までを一貫してコンピュータで管理するのが当たり前になっています。そして、タブレット端末の高性能化によって、いままで机上からでしか動かすことのできなかった図面管理システムに、いつでも・どこからでもアクセスできるようになっています。

インターネットの普及

タブレット端末はインターネットの存在が前提です。インターネットの普及によって、タブレット端末が普及したとも言えます。このインターネットがよほどのへき地でない限り世界中で使えることが、タブレット端末を使って、どこからでも素早く図面管理システムにアクセスできることの前提になっています。

使う人間の意識の変化

これらの変化は製造業に係わる人たちの意識を変えてきました。CADに代表される製造業DXの成功は、製造業のデジタル化を進めるロールモデルになっています。

そして、昔のような「職人気質」の従業員もデジタル化の波に乗ろうとしています。中小企業の営業や町工場と言った「現場」イメージの強い仕事に携わる人であっても、「デジタル」に対する意識が、少しずつ変わってきているのです。

タブレット端末の活用シーン

それでは、シチュエーション別のタブレット端末の活用について考えてみましょう。

製造現場

製造現場では、図面を電子化しタブレット端末から直接図面管理システムにアクセスできるようにすることで、独自の図面管理を行う必要がなく、設計部門や他の部署との図面の共有が可能になります。これにより、より一体感のある製造管理ができるようになり、他の部門との交流が促進されます。

例えば、今まであれば問題が生じたとき、電話で設計部門に連絡を入れ、話し合って対応策を考えていましたが、製造部門からも図面管理システムにアクセスが可能であれば、共通の情報である図面をベースに話をすることができ、コミュニケーションがスムーズになります。設計部門の人は大概忙しいので、わざわざ呼びつけて話をする必要がなくなり、心理的な軋轢も減ってくるかもしれません。

また、部品製造の現場では、特に金属加工の工場では、切削油や切子が飛散する場合があり、旋盤やMC(マシニンングセンタ)などを操作した手で図面を取り扱う場合も多く、図面が汚れてしまうことが多々あります。

このような場合、紙の図面の代わりにタブレット端末で図面を表示するようにすれば、このような不具合はかなり減少するはずです。

営業

営業においてもメリットがあります。

顧客と商談や交渉を行うとき、過去の図面を参照しながら行うことできます。顧客の望む仕様によく似た図面をその場で検索し、大まかな回答をダイレクトに迅速に行うことが出来ます。

例えば「この図面をちょっと変えればできそうですね」とか「同じ図面がありますね」という回答を顧客との商談の中で行うことが出来るのです。

もちろん、図面には企業秘密もありますから、すべてを開示するわけにはいきませんが、図面管理システムを営業にも開放して客先でもアクセス可能にすることで、商談のチャンスを生かすことが出来るようになるでしょう。

ユーザーサポート

ユーザーサポートにも同様のメリットがあります。図面だけではなく、故障情報や対応状況などを共有することで、迅速な修理やメンテナンスが可能になります。

例えば、客先で故障があった場合、タブレット端末から同じ、あるいは似たような故障事例を検索し参考とすることで、試行錯誤をなくし、スピーディーな故障修理が可能になります。

このように、図面管理システムを始めとする情報管理システムをタブレット端末からどこからでもアクセスできるようにすることで、特に「顧客対応」に携わる人たちの業務の負担を減らし、効率を上げることが出来るのです。

タブレット端末を使うときの注意点

最後に、タブレット端末を利用する場合の注意点を述べます。

端末はタフな使用に耐えられるものを選ぶ

上で述べたような「現場仕事」ではタブレット端末は可能な限りタフでラフな使用に耐えるものを選ぶべきです。特に、製造現場で作業環境が普通のオフィスよりも過酷な場合が多いです。営業やユーザーサポートでもオフィスの環境よりも厳しいです。

そのため、タブレット端末の価格が多少高くなっても、壊れにくく確実に動作する「ヘビーデューティー仕様」のものを選ぶといいでしょう。

紛失に注意

特に、外回りの多い営業やユーザーサポートでは客先や電車内に鞄ごとおいてきてしまう場合があります。

タブレット端末には業務に必要な情報が集約されています。したがって、置き忘れてしまうと、その後の業務が進まなくなってしまいます。また、タブレット端末が見つからず、完全に紛失してしまうと業務の遂行に影響が出るだけでなく、情報流出の可能性もあります。

タブレット端末の「置き忘れ・紛失」に十分注意しましょう。

セキュリティー対策

タブレット端末を使用して外での活動が多くなると、外部の人に画面を見られる機会が何かと多くなります。そのため、ログイン情報やパスワードなどは人目につかないようにしっかり管理しましょう。

(まとめ)タブレット端末を活用して現場仕事を効率化しましょう

以上、製造業におけるタブレット端末の活用について考えてきました。製造業は設計や開発に携わる人だけで仕事が回っているわけではありません。むしろ、それ以外の製造や、営業、ユーザーサポートといった「現場」の仕事も大切です。

そして、図面や仕様書といった「情報」は客観的に伝え、共有しておくことは大変重要です。そのため、タブレット端末を利用して、客観情報である図面や資料をこれらの部署でも、いつでも・どこでもアクセスできるようにしておくことは、製造業全体の業務効率を上げるうえで大変効果的です。

そのうえで、タブレット端末によるアクセスがやりやすい図面管理システムを選定することで、更に図面を有効に活用することができます。

図面の有効活用のため、タブレット端末からアクセスしやすい「図面バンク」を是非ご検討ください。よろしくお願いいたします。

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