図面管理システム入門:基礎から導入時の課題まで徹底解説!

2024.02.06

図面管理についてお悩みではないでしょうか?

「紙やPDFでバラバラに散らばっている図面を、一括で管理したい」
「図面を探すのに毎回時間がかかっている」
「数年前の図面のCADファイルを探しているが、担当者が退職してファイルが見つからない」

こんなお悩みをお持ちではないでしょうか?そのお悩み、図面管理システムが解決してくれるかもしれません。

この記事では、「図面を一括管理するツール」である図面管理システムについて、製造業で10年以上働いてきた筆者が解説します。

この記事を読むと、「図面管理システムとは何なのか」「図面管理システムのメリット」「図面管理システムの種類」「図面管理システムの導入プロセス」「図面管理システムの導入時の課題と解決策」について分かるようになります。ぜひ、最後まで読んでみてください。

図面管理システムとは

以下では、図面管理システムの定義とメリットについて解説します。

図面管理システムの定義

図面管理システムは、図面を一括管理するツールです。主に製造業や建設業で使用され、図面には工業製品や建設物の設計情報が記されています。

図面管理システムは、次のような機能があります。

図面保管機能
関連文書(図面に紐づいた見積書や3Dデータなど)の保存機能
図面検索機能:保管された図面を図番などで検索できる
共有機能:社内の設計部門以外で図面を共有できる
関連図面検索機能:似たような図面の候補を自動的に出せる
承認ワークフロー機能:承認を物理的なハンコではなく、電子的に承認できる

製品のグレードや位置づけによって、関連図面検索機能や承認ワークフロー機能はないものもあります。

図面管理システムのメリット

図面管理システムを導入することで、「欲しい図面がすぐ見つかる」「バージョン管理ができる」「セキュリティが強化される」というメリットがあります。

欲しい図面がすぐ見つかる:紙の図面で、欲しいものがどこにファイルしたか探すのに時間がかかった経験はないでしょうか。図面管理システムに図面データを格納すると、図番・タグ・案件などで検索が可能で、欲しい図面がすぐ見つかります。図面を探す時間が短縮され、生産性を上げることができます。

バージョン管理ができる:図面はプロジェクトの進行に伴い何度も更新されることがあります。図面管理システムには、図面の版(バージョン)を追跡する機能があり、誰がいつ変更を加えたかを記録できます。バージョン管理機能によって、最新版の図面を確認でき、改版履歴を容易に追うことができます。

セキュリティが強化される:デジタル図面管理システムは、アクセス権限の管理が可能で、図面のセキュリティを強化します。また、業界の規制や標準に準拠するための文書管理にも対応しています。

図面管理システムの種類

図面管理システムは、大きく3つのカテゴリーに分類することができます。それぞれが独自の特徴を持っており、自社のニーズや使用CADに応じて選択することが重要です。ここでは、「オンプレミス型」「クラウド型」「CADベンダー提供型」の3つのカテゴリーを解説します。

オンプレミス型

オンプレミス型の図面管理システムは、社内に物理的なサーバーを設置し、その上で運用されるシステムです。

オンプレミス型のメリット

自社でサーバー環境をすでに持っている場合に導入がしやすいこと、自社の要件・ニーズに合わせてシステムを細かくカスタマイズできることがオンプレミス型のメリットです。

オンプレミス型のデメリット

自社でサーバー環境がない場合は、サーバー導入の負担が大きいことがデメリットです。また、クラウド型と比べると初期投資額は大きくなりがちです。

オンプレミス型の製品例

オンプレミス型の図面管理システムとして、株式会社デザイン・クリエイションが提供する「図管王 Standard」を紹介します。

図管王 Standardは、さまざまなデータを保管、高速プレビュー表示ができるのが特徴です。AutoCAD、JW-CADなどの2次元CAD、CATIA、Solidworksなどの3次元CADに加え、Word、Excel、PowerPointなどのオフィス系文書や、PDF、JPEGなどのファイル形式に対応しています。

また、フォルダ/ファイルに対してユーザー権限を7レベルに細かく設定することができます。たとえば、ビュー権限が付与されたユーザーは、図面の表示のみが可能で、印刷はできません。

2D3D図面・文書管理システム「図管王Standard」のご紹介

クラウド型

クラウド型の図面管理システムは、データはデータセンター内に保存され、ユーザーはブラウザや専用のアプリケーションを通じてデータにアクセスします。

クラウド型のメリット

クラウド型は初期コストを抑えることができ、小さくスタートしやすいことがメリットです。自社でサーバーを持っていない中小企業の導入にも向いていると言えます。

クラウド型のデメリット

クラウド型のデメリットはセキュリティを外部のクラウドに依存することです。しかし、近年のクラウドはセキュリティがしっかりしており、むしろ自社でサーバーを運用するよりも安心と言える場合が多いでしょう。

クラウド型の製品例

クラウド型の図面管理システムとして、沖電気工業株式会社が提供する「TerioCloud」を紹介します。

TerioCloudは、図面をクラウド上に保存し、タブレット上で図面を表示し、タブレット上で図面に手書きのメモや写真を紐づけることができることが特徴です。製造業においては、クリーンルーム内のペーパーレス化のために使用された事例があります。

TerioCloud(テリオクラウド)デジタル化された図面の共有と簡単操作で現場業務を改革するソリューション【OKI公式】

CADベンダー型

CADベンダーが図面管理システムを開発し、自社のCADとセットで提供するケースもあります。CADベンダー型のデータの格納場所はオンプレミス型(自社でサーバーを構築し、その中に格納する)が主流でしたが、近年ではクラウドベースのベンダー図面管理システムも出ています。

CADベンダー型のメリット

そのベンダーのCADを使っている場合の利便性が良いです。たとえば、CADから直接図面管理システムを立ち上げ、CADデータを保存することができます。

CADベンダー型のデメリット

そのベンダー以外のCADを使っている場合は、あえてCADベンダー型の図面管理システムを使う理由は少ないです。

CADベンダー型の製品例

CADベンダー型の図面管理システムとして、富士通株式会社が提供する「COLMINA CADデータ管理」を紹介します。

富士通株式会社は「iCAD SX」という設備設計が得意な3D-CADを提供するベンダーです。iCAD SXは動作が軽く、部品点数の多い生産設備でもノートPCで設計ができることが特徴です。IHIやデンソーなど大手製造業にも採用実績があります。

図面管理システムの導入プロセス

図面管理システム導入後のイメージ
画像:photoAC

ここでは、図面管理システムの導入プロセスについて解説します。

1. 要件定義

要件定義では、導入の目的をはっきりさせ、図面管理システムに求める要件を明確化します。次のようなことがポイントです。

ニーズの整理:図面管理システムによって解決したい課題を整理します。
利害関係者の関与:設計者、営業、加工現場のスタッフなど、図面管理に関わる利害関係者を巻き込み、彼らの要求と期待をヒアリングします。
図面管理システムに求める要件定義:必要な機能(バージョン管理、アクセス権限の管理など)を明確にします。

2. 図面管理システムの選定

やりたいこと、予算に応じて自社に最適と思われる図面管理システムを選定します。次のようなことがポイントです。

市場調査:自社に使えそうな図面管理システムをリストアップします。
評価と比較:定義された要件に基づいてシステムを評価し、比較します。価格、使いやすさ、カスタマイズの容易さ、サポート体制などが比較の基準となります。
デモと試用:候補となるシステムのデモを見たり、試用版をテストしたりして、実際の使用感を確認します。
トライアル運用:トライアル運用をし、ユーザーからフィードバックを得ることで、システムの実際の使い勝手を理解し、課題を抽出します。

3. 導入

使いたい図面管理システムを決めて、導入するプロセスです。次のようなことがポイントです。

計画の策定:導入プロジェクトの計画を策定し、導入スケジュールを設定します。
社内サポート体制の構築:図面管理システムのベンダー連絡担当など、社内での運用を進めるサポート体制を構築します。
インフラの準備:必要に応じて、ハードウェアの設置やソフトウェアのインストールを行います。
データの移行:既存のデータを新しいシステムに移行します。紙図面をPDFに電子化したり、PCに保存されていた図面データを図面管理システムに移動させるという作業が含まれます。
トレーニング:ユーザーに対して、システムの使用方法に関するトレーニングを提供します。

導入時の課題と解決策

ここでは、図面管理システムの導入時の課題と解決策について解説します。

導入に初期投資が必要となる

図面管理システムの導入には、初期投資が必要となり、これが社内に導入する際の大きな障壁となります。解決策としては、以下が挙げられるでしょう。

コストベネフィット分析の実施:導入によって投資が見合うものになるという正当性を検証します。たとえば、図面を探すのにかかっている時間×人件費を年間計算し、それが導入後何年でペイできるかを分析します。
小さく始める:図面管理システムをいきなり全社的に導入するのではなく、一部のプロジェクトから段階的に導入することで、初期コストを抑えることができます。
クラウド型の検討:オンプレミス型に比べて、初期コストが低いクラウド型の利用を検討します。

ユーザートレーニングが必要

図面管理システムを使いこなすために、従業員にトレーニングが必要な場合があります。解決策としては、以下が挙げられるでしょう。

トレーニングプログラム:図面管理システムのベンダーと協力して、ユーザー向けのトレーニングを実施しましょう。ベンダーのトレーニングは有償の場合もあるので、事前に料金を確認し、トレーニングのための予算も確保しましょう。
サポート体制の整備:ユーザーが疑問や問題を即座に解決できるよう、社内で図面管理システムの担当者を決め、必要に応じてサポートチームを構築しましょう。導入初期の問い合わせ対応やベンダーとの窓口担当、社内向けの手順書作成などが担当者の仕事となります。
フィードバックの収集と改善:ユーザーからのフィードバックを定期的に収集し、システム運用の改善に反映させます。

データ移行の課題

既存のデータを新しい図面管理システムに移行する過程は、時間がかかり複雑になることがあります。データの損失や整合性の問題が生じるリスクもあります。解決策としては、以下が挙げられるでしょう。

移行計画の策定:どのデータをいつ移行するか、どのように移行するかをはっきりするために移行計画を策定しましょう。
移行ツールの活用:市場には、データ移行を助けるツールやサービスが存在します。これらを活用することで、効率的かつ安全にデータを移行できます。
テストの実施:本番環境への完全な移行前に、図面・文書データが図面管理システムで正しく機能するかを確認するために、テストを実施しましょう。

中小企業向けのクラウド図面管理システム「図面バンク」

図面バンク導入後のイメージ
画像:photoAC

中小企業においては、図面管理システムの導入はコストが大きな課題と言えます。図面管理システムは大企業が使うような高機能なものだと数百万円~数千万円のコストがかかり、このような製品は導入のハードルが高いです。

「図面管理システムは高くて手が出せない・・・」と感じている方には、クラウド図面管理システムの「図面バンク」がおすすめです。

図面バンクのメリット①:価格が安い

図面バンクの利用料金は月額26,000円で、気軽に導入しやすい料金設定となっています。

図面バンクのメリット②:シンプルな操作方法

図面バンクは特別なツールをインストールする必要はありません。ブラウザ上で図面をアップロード・閲覧ができます。操作方法もシンプルで、使いこなすために特別なトレーニングを必要としません。

図面バンクのすべての機能は無料で体験可能!

初月無料体験により、図面バンクのすべての機能を無料で使うことができます。まずは登録・お試しして、実際に図面管理システムを体験されてみてはいかがでしょうか。

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まとめ

今回の記事では、「図面管理システムとは」「図面管理システムの種類」「図面管理システムの導入プロセス」「導入時の課題と解決策」「中小企業向けのクラウド図面管理システム『図面バンク』の紹介」という内容を解説しました。

図面管理システムは、図面を探すなど図面にまつわる業務を効率化できることがメリットですが、初期費用がかかるなどのデメリットもあります。

まずは図面管理システムでどんなことができるかを理解し、自社の図面管理をどうしたいかを考えていくことが第一歩になるでしょう。

図面バンクは登録後1か月はすべての機能を無料で利用できます。図面管理システムでどんなことができるか、少しでも興味のある方はお試しで使用してみてはいかがでしょうか。

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