【2024年最新】クラウド図面管理について完全解説|メリットとおすすめサービス5選を紹介!

2024.03.12

クラウド図面管理

建設業界や製造業界では、図面管理が企業の生産性に大きく影響します。図面管理システムを用いると、設計図や施工図などの大量の文書を整理でき、必要な時に迅速にアクセスできます。

従来の紙ベースやローカルサーバー上の管理方法には、アクセス性の限界やセキュリティリスク、保守の手間など多くの課題がありました。これらの課題を解決する鍵が、クラウド技術の活用です。

クラウドを利用した図面管理システムは、場所を選ばずに必要な情報にアクセスできる柔軟性と、データの損失リスクを低減する高いセキュリティを提供します。さらに、コスト削減や効率の向上も期待できます。これらのメリットから、多くの企業がクラウド図面管理システムへの移行・検討をしています。

この記事では、クラウドを活用した図面管理のメリット、おすすめのクラウド図面管理システムについて詳しく解説していきます。インターネットの高速化・クラウド技術の進化と、製造業における電子データの活用ニーズがマッチし、図面管理をクラウドで行うことはとても現実的な選択肢になっています。

この記事をきっかけに、クラウド図面管理システムについての理解を深め、興味のある方は自社への導入を考えるきっかけになれば幸いです。

図面管理をクラウドで行うことのメリット

クラウドを利用した図面管理は、従来の方法に比べて多くのメリットがあります。これらの利点により、企業はより効率的・安全に図面を管理できるようなり、社員は効率化して浮いた時間を他の業務に使うことができます。

なお、こちらの記事で図面管理システムの一般的な機能・種類を解説していますので、あわせて参考にしてください。

どこからでも図面の閲覧ができる

クラウドを利用した図面管理の最大の特徴は、インターネットに接続できる環境であれば、地理的な制限なく図面にアクセスできることです。ブラウザを通じてログインするだけで、現場の担当者もオフィスの設計者も出張中の上司も、最新の図面情報をリアルタイムで閲覧・共有することが可能になります。

これにより、チームのコミュニケーションが大幅に向上し、作業の進行や修正がスムーズに行えるようになります。

高いセキュリティとデータ保護

クラウドサービス提供者は、データのセキュリティと保護を最優先事項としています。データの高度な暗号化、定期的なバックアップ、多要素認証などの機能を通じて、外部からの不正アクセスやデータの損失、漏洩のリスクを最小限に抑えます。

また、クラウドサービスは災害時のリスク管理にも優れています。自然災害や火災などで物理的なデータが失われた場合でも、クラウド上のバックアップから迅速に復旧できるため、ビジネスの継続性を保証します。

導入コスト削減と効率化

クラウド図面管理システムの導入により、企業はサーバーの購入やメンテナンス、ソフトウェアの一括購入といった初期投資を低減できます。サブスクリプションベースの料金体系は、使用するリソースに応じた支払いを可能にし、無駄な出費を減らします。

また、クラウド図面管理システムの機能で、図面を素早く検索したり、古いバージョンの図面参照を防止したりすることができます。図面管理システムの機能活用は、結果として全社的な図面管理コストの削減に繋がり、企業の競争力の源泉につながります。

ここまで見てきたように、クラウドを利用した図面管理は
・アクセスの容易さ
・セキュリティの強化
・導入コスト削減と効率化
といった面で明確な利点を持ち、これらの特性が企業の生産性を向上させることでしょう。

クラウド図面管理システムおすすめ5選

ここでは、現役設計者である筆者が特におすすめしたい5つのクラウド図面管理システムを紹介します。これらのサービスは、図面管理システムとしての機能性、使いやすさ、コストパフォーマンスなどの観点から選出しました。

CADDi DRAWER

CADDi DRAWERは、キャディ株式会社が提供するクラウド型の図面管理システムです。

CADDi DRAWERの特徴は、図面の検索機能が充実していることです。独自の画像解析アルゴリズムによって、似たような形状の図面を検索する、図枠に記載された情報(部品名、材質、サプライヤー等)を自動で抽出しデータ化する、ということができます。

・過去の図面を探すことが多い
・機種展開のために類似図面を参考にして見積りする機会が多い
このような方には、CADDi DRAWERがおすすめです。

CADDi DRAWERの価格は、公開されていません。図面数とアカウント数に応じた価格を問い合わせる必要があります。

【CADDi DRAWER】デモ映像

参考URL:https://caddi-inc.com/drawer/

D-QUICK Cloud

D-QUICK Cloudは、株式会社アイサイトが提供するクラウド図面管理システムです。

D-QUICK Cloudの特徴は、容量無制限のオンラインストレージ「Box」と連携できることです。図面をBox内に格納し、D-QUICK Cloudで図面の管理を行うことで、容量を気にする必要がなくなります。

D-QUICK Cloudの料金は公開されていません。詳細はベンダーに問い合わせる必要があります。

参考URL:https://d-quick.i-site.co.jp/d-quick-cloud/

TerioCloud

TerioCloudは、沖電気工業株式会社が提供するクラウド型の図面管理システムです。

TerioCloudの特徴は、タブレット上で図面に以下のような付帯情報を記録できることです。
・図面上に手書きの印やチェックマークを入れる
・タブレットで撮影した写真を図面に紐づける

この機能を利用して、たとえば施工の完成写真を現場で撮影し、図面に付与する、という使い方が可能です。
図面をタブレット上で参照したい方、タブレット上の図面に手書きの印を付けたり、写真を紐づけたりしたい方にはTerioCloudはおすすめです。

TerioCloudの価格は、ベンダーのホームページでは公開されていませんが、下記の参考URLから「初期登録費15,000円、利用料18,000円/月・10ライセンス~」であることが確認できます。
参考URL①:https://www.kensaibou.or.jp/safe_tech/ict/entry/002876.html
参考URL②:https://itsys.jeca.or.jp/report/pdf/01.pdf

TerioCloud(テリオクラウド)デジタル化された図面の共有と簡単操作で現場業務を改革するソリューション【OKI公式】

参考URL:https://www.oki.com/jp/TerioCloud/

ズメーン

ズメーンは、株式会社FactBaseが提供するクラウド図面管理システムです。

このクラウド図面管理システムの特徴は、図面にさまざまな情報(見積書、工程指示書、検査成績書など)を紐づけて保存できることです。製造現場でのものづくりは、図面以外にも必要な書類があります。たとえば、部品の加工後の寸法測定結果を記す検査表や、現物の仕上がり見本となる写真などです。このような書類をズメーンでは一元管理できます。

「図面を起点に、関係書類を紐づけて保存したい」という方には、ズメーンはおすすめです。

ズメーンの料金は、公開されていません。ベンダーへの問い合わせが必要です。

これは筆者の推測なのですが、ズメーンの料金はおそらく月4~5万円程度と思われます。
その根拠は、こちらの記事に「設備のリースの支払額をギリギリ下回る価格に決めました」と記載があることです。設備のリースの支払いはおおむね月5万円くらいなので、ズメーンの料金は月4~5万円程度と推測できます。

出展:たった半年で「町工場向けSaaS」を立ち上げ、内諾100件で法人化するまでの話

図面バンク

図面バンク イメージ
図面バンクの画面

図面バンクは、株式会社New Innovationsが提供するクラウド図面管理システムです。

図面バンクの特徴は、月額料金のお手頃さにあります。ユーザー数や図面の保管数に関係なく、定額(2024年3月時点では、月額26,000円)でご利用いただけます。

また、New Innovationsは自社で工場を持ち、「root C」というAIカフェロボットを生産しています。自社工場の図面管理にも図面バンクを用いることで、製造現場のニーズに合った図面管理システムを開発できることも強みです。今後もユーザーの意見をフィードバックし、より使いやすい図面管理を提供できる見込みです。

図面バンクは、図面管理システムとしての機能は比較的シンプルです。「高級な機能はいらないが、価格を安く抑えたい」というユーザーにおすすめです。登録初月は無料ですべての機能を使える無料体験も可能です。気になる方はこちらから問い合わせができます。

参考URL:https://zumen-bank.com/

【図面バンク】コスパ最強のクラウド図面管理システムのご紹介

クラウド図面管理システムの選び方

画像:photo-AC

「クラウド図面管理システムはいくつもラインアップがあり、どれを選べばいいのかわからない」と思われるかもしれません。ここでは、自社にとって最適なクラウド図面管理システムを選ぶポイントを紹介します。

必要な機能を把握する

まず、自社の図面管理に必要な機能を明確にしましょう。例えば、バージョン管理、検索機能、図面の共有とコメント機能、アクセス権限の設定などが一般的に求められる機能です。また、プロジェクトの規模や業務の特性に応じて、特別な要件が必要になることもあります。必要な機能をリストアップすることで、サービス選択時の判断基準が明確になります。

セキュリティ対策の評価

クラウド図面管理システムを選択する際には、セキュリティ対策も気になります。データの暗号化、バックアップの頻度と方法、不正アクセス防止策など、提供されるセキュリティ機能を確認しましょう。

近年のクラウドサービスはセキュリティが強化されており、メンテナンスされていない自社サーバーよりもむしろ安全という場合もありえます。しかし、自社のデータをはじめてクラウドに置く場合は心理的な不安がありますので、セキュリティで気になる点はベンダーに聞いてみることをおすすめします。

利用料金とプランの比較

クラウド図面管理システムのコストパフォーマンスは、長期的な運用コストを左右します。料金プランの比較だけでなく、提供される機能やサービスの質を総合的に評価することが重要です。また、ユーザー数やデータの保存容量に応じて料金が変動するプランが一般的なため、将来的な拡張性も考慮する必要があります。

適切なクラウド図面管理システムを選ぶことで、効率的な図面管理とセキュアなデータ保護の両立が可能になります。自社のニーズに最も合致するシステムを選択し、ビジネスの発展に役立てましょう。

クラウド図面管理システムの導入ステップと注意点

画像:photo-AC

クラウド図面管理システムを導入する際は、計画的に進めることが成功のカギです。適切な準備と、導入後の運用ポイントを把握しておくことが重要です。

導入前の準備

導入前には、まず現在の業務フローや図面管理の課題を明確にすることが必要です。どのプロセスを改善したいのか、どんな問題をクラウド図面管理システムで解決したいのかを具体的にリストアップしましょう。

また、導入に当たっては、関係するスタッフや部門の意見を集め、必要な機能やセキュリティレベル、予算などを決定することが重要です。

これらの情報を基に、市場調査を行い、複数のシステムを比較検討します。そして、最終的な候補を絞ったら、デモ利用や無料お試し期間を通じて、実際の業務に適しているかを評価しましょう。

導入と運用のポイント

クラウド図面管理システムの導入が決定したら、スムーズな移行と運用を目指してください。まずは、システムの導入スケジュールを策定し、必要に応じて従業員への研修を計画します。

実際のデータ移行にあたっては、既存の図面データの整理・分類を行い、クラウドシステムへのアップロード前にバックアップを取ることをおすすめします。運用の初期段階で、誤ってデータを削除してしまう、ということのリカバリー対策になるからです。

導入後の運用では、定期的なレビューとフィードバックの収集を行い、システムの使用状況や業務プロセスの改善点を見直します。

また、セキュリティ対策やデータ保護のため、アクセス権限の管理やパスワードポリシーの設定を徹底しましょう。問題が発生した場合は、速やかにサポートを受けられるよう、ベンダーとの連携も確立しておくことが望ましいです。

クラウド図面管理システムの導入と運用には、適切な準備と継続的な管理が必要です。計画的に進めることで、システムを最大限に活用し、業務の効率化とセキュリティの強化を実現できます。

まとめ

クラウド技術の進化は図面管理に革命をもたらす、と言っていい領域に来ています。この記事を通じて、クラウドを利用した図面管理がもたらすメリット、おすすめクラウド図面管理システム5選、選定のポイント、導入ステップとその注意点について解説してきました。

将来的には、クラウド技術はさらに進化し、図面管理プロセスをより効率化、最適化していくでしょう。AIや機械学習の統合により、図面の自動分類や検索効率の向上、さらにはエラーの自動検出など、今まで人の手に頼っていた作業が自動化され、より高度なデータ分析が可能になると予想されます。

セキュリティ面においても、より強固なデータ保護技術が開発され、クラウドサービスの安全性がさらに向上することでしょう。これにより、企業はセキュリティリスクを最小限に抑えつつ、クラウド図面管理の利便性を最大限に享受できるようになります。

クラウドを利用した図面管理は、手軽さ、コスト効率の良さ、高いセキュリティというメリットがあります。初期コストの低さから、中小企業の図面管理に向いていると言えます。

「紙の図面で管理しているが、図面を探すのに時間がかかっている」
「施工現場・製造現場でも、印刷してない図面をすぐ参照したい」

「図面管理システムを以前検討したが、自社サーバー構築にコストがかかりすぎて断念した」

こんな方は、ぜひクラウド図面管理システムを検討してみてください。

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