図面のC(面取り)記号を完全解説!Rとの違いと45° 以外の表記ルール
2026.07.28

製造業において、図面は設計と製造をつなぐ重要な情報源です。その中でも「C1」や「C5」といったアルファベット「C」の表記をよく見かけることはないでしょうか?
図面のCは「面取り」を表す記号で、面取りとは部品の角を45° に落とす加工のことです。本記事では、10年以上の経験を持つ現役の機械設計者が、図面におけるCの意味をわかりやすく解説します。
CとRの違いや、45° 以外の面取りはどう表記するかについても解説します。図面の読み取りに自信がない方や、製造現場でのミスを減らしたい方必見の内容です。
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目次
図面のCの意味

図面の「C」は、面取り(Chamfer:チャンファー)の頭文字で、角を45°で切り落とす加工を表す記号です。JIS B 0001(機械製図)でも定められた正式な表記です。
Cの後ろの数値は、面取りする辺の長さをmmで表します。例えば「C5」なら、角から5mmの位置を45°で切り落とすという指示です。現場では「シーゴ」とそのまま読みます。
なお、下図のようにCの表記を使わず「面取りの寸法数値×45° 」と表記することも可能です。

面取り加工の目的
面取り加工の目的はいくつかありますが、ものづくりの現場では以下の目的で行うことが多いです。
①ケガ防止
金属で作られた部品の角は鋭利です。ナイフのように細いエッジでなくても、90° の角でも触り方によっては手を切ります。このようなケガ防止のために面取りを行います。
部品の大きさにもよりますが、このようなケガ防止の面取りはC1程度で入れたり、後述する「糸面取り」を入れたりすることで対策します。
②穴に入れやすくする

部品の固定やエアシリンダーの組立など、シャフトの直径と穴のすき間がごく僅かな組立は製造業ではよくあります。このような場合は面取りが多く使われています。
シャフトの先端に面取りをすると、穴に入れやすくなります。シャフトの先端の直径が面取り分だけ小さくなります。また、先端形状がテーパ状になり、これがガイドの役割を果たします。
シャフトだけでなく穴の入口にも面取りをすると、よりスムーズに挿入ができます。
③角部の干渉回避
面取りには、部品を組み付けるときの「干渉回避」という重要な役割があります。
下図のように、フライス加工で作った溝(ポケット)に四角い部品をはめ込む場合を考えます。溝の内側の隅には、 エンドミルという回転工具の半径分の丸み(コーナーR)が必ず残ります。刃物が回転して削る以上、内隅を完全なピン角にすることはできません。

ここで、はめ込む部品の角に面取りをしておくと、部品の角が溝のコーナーRを避けてくれるため、部品は溝の底までしっかり収まります。
一方、面取りをしていない部品は溝のコーナーRに乗り上げてしまい、少しはみ出してしまいます。
「図面通りに作ったのに、組んでみたら部品が浮いて収まらない」――このトラブルの原因として、面取りをしておらず角部が乗り上げるという事例は多いです。

図面表記におけるCとRの違い
図面において「C」と「R」は、どちらも部品の角の処理を示しますが、その形状は異なります。
「C」は面取り(Chamfer)を指し、角を45° 斜めに切り落とす処理を示します。一方で「R」は半径を持った丸みを示し、角を円弧で仕上げるために使用されます。これにより、RとCでは部品の角の形状が異なる仕上がりになります。
例えば、図面に「C5」と表記されていれば、角を5mmの長さで45° に斜めに削り取る面取り加工を行います。「R5」と記載されている場合は、角に半径5mmの丸みを持たせます。

機械加工で角部を加工する場合は、一般的にR加工よりC面取りの方がコストが安くなります。C面取りは、45° 傾いた面取りカッターや、ベベラーと呼ばれる面取り機で加工します。これらを用いてC面取りは比較的短い時間で加工ができます。
一方、R加工はボールミルを使ってRの形状を少しずつ削って作っていきます。そのため、加工時間が長くなり、加工コストが比較的高くなります。
どちらの処理も機械設計ではよく使われますが、意匠やコストのバランスでR加工にするかC加工にするかを決めましょう。
45° 以外の面取りの図面表記

面取りの角度が45° 以外の場合は、C表記は使わず、面取りの寸法と勾配の角度を図面に記入します。
言い換えれば、図面の「C」は、「45° 専用の面取り」表記と考えて差し支えありません。
「糸面取り」について
糸面取りとは、糸のように細い、ごく小さな面取りのことです。現場では「糸面(いとめん)」とも呼ばれます。
寸法はC0.1~0.3程度で、バリやカエリを取ってケガを防ぐことが目的です。数値で寸法を指示せず「指示なき角部は糸面取りのこと」のように注記して、部品全体へ一括で指示するのが一般的です。
加工はヤスリやペーパーで軽くなでる程度の仕上げで、厳密な検査の対象にはしない運用が一般的です。
まとめ:図面のCは45° 面取りの記号
・図面のCは45° の面取りを表す記号で、数値は面取りする辺の長さを示す
・面取りの目的は「ケガ防止」「穴への入れやすさ」「角部の干渉回避」
・Rは角の丸みの半径を表す。加工コストは一般的にC面取りの方が安い
・45°以外の面取りはCを使わず、寸法と角度で表記する
・糸面取りは寸法を指示しない、ごく小さな面取り
面取りの表記を正しく読み書きできると、加工者との認識違いによる手戻りを減らせます。本記事が図面理解の助けになれば幸いです。
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